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うつ病は、脳内の「神経伝達物質」であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどのバランスが崩れた状態と考えられています。それによって憂鬱な気分など心理的症状が続き、睡眠障害・食欲減退など様々な身体的な自覚症状を伴ってきます。うつ病について詳しく紹介します。
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うつ病って思ったら!その特徴とは
生真面目で頼まれたら嫌と言えないあなた、色々な悩みを一人で抱え込んで誰にも話ができないあなた、こんなことをチェックしてみてください。
・最近熟睡できていますか?
・食事は今まで通りきちんと食べていますか?
・部屋は片付いていますか?
・お風呂に入ることが面倒になっていませんか?
・朝起きたら顔を洗っていますか?
・以前できていたことが億劫になり、できなくなっていることはありませんか?
・色彩のあるものを避け、モノクロやセピア色が落ち着くと感じてきてませんか?
うつ病は増加しているのか
女性なら5人に1人、男性なら10人に1人の割合で一生のうち一度は罹る非常によく起こる病気です。うつ病の症状は「身体の症状」と「心の症状」に分けられます。
また厚生労働省の調査によれば、うつ病を含む気分障害の方が急速に増えているそうです。働き盛りの世代では、職場ので過労やプレッシャーからうつ病を発症する人が増加しています。
例えば、環境が変わるだけでもうつ病になってしまいます。転勤で初めての一人暮らし。会社で黙々と仕事をこなし長時間残業で疲れて帰宅。
夕飯は半額のコンビニ弁当。お皿に移さずプラスチック容器のままで勿論会話もなし。ストレス発散できずシャワーに入り就寝。翌朝満員電車で疲れ切って出勤。こんな生活が続くととても危険ですよ。
うつ病の症状はさまざま
「身体の症状」は、不眠の方が9割以上で、特に途中覚醒(途中で目が覚める)が起こりやすいです。また、食欲がなくなり、体重が減ってしまうこともあります。
他の症状としては疲れやすい、口が渇く、便秘や下痢、動悸、息切れといった、いわゆる「自律神経症状」を伴うこともあります。
「心の症状」は、ゆううつで落ち込んだ気分となり、涙もろさや寂しさを感じやすくなります。また、以前からの趣味に興味を持てなくなったり、楽しくなくなります。
そして、自分を「だめな人間だ」と強く思い込んでしまうこともあり、その結果、「自分などこの世にいらない」と自殺を考え出してしまうこともあります。
これらの症状は、朝に症状が強く、夕方になると少し弱くなることがよくあるため、家族の方は夜の様子を見て「たいしたことない」と誤解してしまうこともあります。
うつ病は見た目や顔つきで分かる?
うつを発症している人は、背中が曲がり、話していても「焦点が合わない(眼を合わせない)」、「眼に生気がない(眼もとに力がなく)」、顔に張りがなく表情が乏しくなってきます。
また、特に目のまわりや口の周りが青白いのが特徴です。これは自律神経の誤作動により、目のまわりの『眼輪筋』や口の周りの『口輪筋』に血液がスムーズに流れず、血行不良になって青白く見えることが考えられます。
うつ病患者は、働いていない人が多いから、怠け者だと思われる事が多いです😖💔
しかし「社会人は働いて、自分の食いぶちを稼ぐのが当然」と、思っていないうつ病患者は、見た事がない。
働く元気が無いから、働いてないだけだって、なんで分かってもらえないんだ!
— とにかく明るい鬱病患者 (@NumaHaru333) 2019年5月11日
症状がどれくらい続いているのか
誰もが「むなしい」「気が滅入る」といった気持を経験しますが、原因がわかっても1~2週間抑うつ症状が続くと要注意です。
気分の落ち込みとともに意欲も低下し、「家事をしたくない」「お風呂に入るのが面倒だ」「歯を磨きたくない」などと感じるようになります。
2~3週たっても症状が続くようであれば、まずは気軽に専門家に相談してみましょう。専門家のいるところは、総合病院の心療内科や精神科、もしくは精神科専門のクリニックなどです。
もしどこに行けば分からない時は、地元の保健所や精神保健福祉センターの相談窓口を利用してみましょう。
家族でも分かるうつ病のサインとは
家庭においては「元気がない」「ぼんやりしている」「表情が暗い」「涙もろくなった」「反応が遅い」「好物だった食べ物にも食欲がわかない」「飲酒量が増えた」「以前からの趣味に興味を示さない」などです。
「いつもと違う」と気づいたら専門家に相談するのが一番ですが、うつ病の症状でもある「否定的なものの見方」のため、受診したがらない人も沢山おられます。
そんな時は、「不眠について相談したら?」など本人が困っているであろう事柄をきっかけに受診をすすめてみてください。
うつ病の身体的サイン
うつ病になると浅い眠りが多くなるため「早朝覚醒」などの睡眠障害が起こり、脳が疲れた状態で朝を迎えることになります。
すると体が重い、だるいと感じてしまいます。「寝付けない(入眠障害)」「早朝に目が覚めてしまう(早朝覚醒)」「食欲がない」「食べるのが面倒くさい」「疲労感・倦怠感」「体の痛みやしびれ」「頭痛」「吐き気」「動悸」「口の渇き」「女性では月経異常」「人と会って話をするのが億劫」などさまざまな症状が起こります。
うつ病では痛みを抑える働きがあると考えられている神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンが不足した状態になるため「体の痛み」が抑えにくくなっているのではないかと言われています。
動悸や口の渇きの原因が自律神経の乱れによる場合があります。
うつ病の治療法をご紹介
医師は、患者さんの症状や、置かれた環境や性格などを考慮しながら、一人ひとりに合った治療法を検討していきます。
うつ病の治療は、「薬物療法」「精神療法」「生活習慣の改善(休養)」などがあります。休養をとることは、うつ病から回復するために非常に重要です。
うつ病で何もすることができません。
どうしたらいいでしょうか?
おしえてください。(ヤフー知恵袋より引用)
うつ病は治療法もさまざま
診察では、まず先生の問診に現在の心と身体の状態をあるがままに答えることが大切です。「うつ病」あるいは「軽症うつ病」と診断されると、治療の基本となるのは、「薬物療法」「精神療法」「生活習慣の改善(休養)」です。
「薬物療法」は、抗うつ薬を中心にして、治療の最初は飲み始めて直ぐに効果がでる睡眠導入剤や安定剤を併用する場合があります。
「精神療法」は、認知行動療法や対人関係療法などがあります。認知行動療法のひとつとして、職場復帰を目的としたリワークが注目されています。
「休養」は、休むことは悪いことではないと考え、「何かやらなければ」と焦ることも止めましょう。治るまでは仕事や家事などの負担をなるべく減らし、休養を優先することを大事にしてください。
何よりも、治療にあたって、本人と周囲がうつ病に関する正しい知識を持つことがとても重要です。根本的な治療のためには、「うつ病」のきっかけになった要因(ストレスなど)をしっかり意識して、その要因から逃げないで整理し、その要因に対する対処方法を確認しておくことが大切です。
中でも、「一人で問題を抱え込まない」ために「周囲に相談する」ことを習慣づけることが再発を防ぐ重要なポイントになります。
抗うつ剤にもいろいろある
「うつ病」は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンのバランスが崩れたことに関係していることがわかっていますが、抗うつ薬は、この分泌バランスを補正するもので、6~7割の人に効果があると言われています。
日本を含めて世界中でよく使われている抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンに働きかけるSSRIとSNRIと呼ばれるタイプです。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤) | セロトニンの利用を高め、脳の働きを改善しますが、副作用として吐き気があります。 |
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤 | セロトニンとノルアドレナリンの利用を高め、脳の働きを改善しますが、副作用として尿の出が悪いことがあります。 |
効き目や副作用の出やすさには個人差があるので、ウソのように心がパッと晴れる人もいれば、効きづらい人もいます。
少量からスタートしてその人にあった薬の量と種類に合わせることが重要になってきます。また、抗うつ薬は効果が出るのに、1-2週間かかるのでじっくりと取り組んでください。
不安があれば医師に相談必須
うつ病の患者さんは、いったん症状がよくなっても再発するケースが残念ながら多くあります。再発を防止するためには、医師から処方された薬は服用を続け、再発のサインを見逃さず、医師に相談することが重要です。
「前と同じような症状だけど、2回目だから何とか自分で乗り切れるだろう」「今は症状が落ちついているから、大丈夫だろう」と思ってしまうのはとても危険です。
うつ病は、再発を繰り返すたびに症状が悪化すると言われています。いったん症状が落ち着いたからといっても安心は禁物です。
安心したい気持ちはわかりますが、その油断がうつ病を酷くさせる原因になるかもしれません。
お薬は人によって効き方が違うので、不安に感じたことは医師に相談することをお勧めします。場合によっては服用する量を変えたり、薬そのものを変更することもあります。
また、些細なことでも相談をすることによって、患者さんと医師との信頼関係がより深まり、よりよい治療に繋がることが多いです
健康カウンセラー林さとみのひと言アドバイス
早期発見、早期治療が大切です!
うつ病に対するQ&A
うつ病は、誰もが罹る可能性のある心の病です。家庭や職場などで日々お互いを気にかけることで早期発見早期治療に繋がります。
早期ですと薬の服用なしで改善する場合もあります。朝の挨拶、整理整頓、身だしなみなどいつもと変わった方はおられませんか?
Q:同僚がうつ病かも知れません。職場でのサインを教えてください。
A:「朝の挨拶をしなくなった」「遅刻するようになった」「表情が暗い」「ミスが多くなった」「集中力が低下した」「イライラしている」など『いつもと違う』と感じたらサインかもしれません。
Q:家族がうつ病かも知れませんが、受診を拒否します。どうすればいいですか?
A:とりあえずご家族が先に相談をすることができます。地域の保健所や精神保健福祉センターで相談できます。
電話や面談による方法があり、保健師、医師、精神保健福祉士などの専門職の方が対応されます。また、相談者の要望によって、保健師は家庭を訪問して相談を行うこともできます。
精神科や心療内科でも家族の相談にのってくれるところもありますが、健康保険の適用がないので自由診療となる点をご注意ください。
うつ病のまとめ
誰もが頑張りすぎると罹る可能性のある病です。罹ってしまったら対処療法から始め徐々に認知行動療法などの精神療法、生活習慣の改善を試みてください。
普段から周りの人に注意を向け、コミュニケーションを取っているとお互いの変化に気づきやすいと思います。今日は家族や同僚と挨拶をしましたか?
「神経伝達物質」は運動や食事で改善できます。そのお話は別セクションでさせていただきますね。
健康運動実践指導者・健康管理士一般指導員の勉強を通じて、健康について運動・食べ物・メンタルなど多くの知識を身に付けています。
知識を知恵に換え実践することで、今でも体力年齢は20歳代をキープし、「華麗に加齢」を目指しています。 2019年3月から、一般社団法人日本ランニングファシリテータ協会認定コーチとして、イオンモールで朝活ランニングの指導をするなど、走る楽しさを伝えています。