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脳を健康に保つには、体重の2%の重さの脳に十分な栄養補給を行い、ワクワクするような新しいことにチャレンジし、過剰なストレスを与えないようにしましょう。そうすることで普段使わない脳領域が活性化し脳を元気にしていきます。
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脳を健康に保つには
何か特別なことをする必要はなく、身体を健康に保つことと同じことを行えば、脳を健康に保つことができます。
基本は、バランスの良い食事・適度な運動・実のある睡眠です。加えて新しいことや苦手なことに挑戦することで脳に刺激を与え、脳の神経細胞やその継ぎ目(シナプス)を増やしていくことが大切です。
脳を使えば使うほど神経細胞が増え記憶力も高まっていきます。
脳を健康に保つ習慣
「初めてのお料理をつくる」や「外国語を習う」など小さな変化を起こし、脳に刺激を与えることが大切です。
身体の健康と同じで、水分をしっかり取り新陳代謝を促し、ストレス解消のためにビタミンB群やCを積極的に摂取しましょう。
また、一口30-40回噛んで、会話しながらゆっくりと食事することを心がけましょう。ストレッチやジョギングなど有酸素運動は、長・短記憶を高める効果があります。
適度な運動は、良い睡眠に繋がりますが、脳を休めるために、睡眠を十分取りましょう。一般的には7.5時間程度と言われていますが、寝付けない人は、夕食は就寝3時間前までに終え、温めのお湯に10分程度浸かり副交感神経を優位にし、30-60分後に就寝するとスムーズな入眠ができます。
脳を健康に保つためのストレス回避策
仕事やプライベートで時には余裕を持って過ごせるよう、「何もしない時間」を作ることが大切です。余裕がないと自律神経の交感神経が常に優位となり、神経が休まりません。
昼食は、ストレスを解消できるビタミンB群・Cやカルシウムが豊富な食材を選びましょう(例えば豚の生姜焼き定食など)。
ガムを噛んでも問題のない環境の場合、顎の筋肉を動かすことで脳に刺激を与えリフレッシュ効果が得られます。
職場では尿意が無くても1時間に1度程度トイレに立って、緊張を解し、深呼吸や軽いストレッチをすると更に効果的です。
また、気の合わない人とは上手に距離を取り、関りを持たないようにすることも重要です。
脳にいい食べ物をとる
間食はなるべく控えて、お腹が空いてから1日3食をしっかり食べ、必要な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
野菜や果物・海藻・大豆食品・魚類などが重要ですが、特に脳の血流を良くする葉物野菜、果物でもブルーベリーはフラボノイドが豊富で脳を酸化ストレスから守ります。
また、卵黄はストレスを解消するビタミンBが豊富で、魚介類は脳の健康に欠かせないオメガ3系脂肪酸のDHAとEPAがたっぷり含まれています。時間がないときは、ナッツ類特にくるみがお勧めです。
塩分の摂り過ぎは脳の血管の老化を促すため、加工食品などは摂り過ぎないようにし、また清涼飲料や缶コーヒーは糖分を多く含むため、1日コップ1杯程度にしましょう。
今日からできる脳にいいこと
脳は、「新しいことを学習」したり「好奇心や前向きな考えを持つ」「敢えて苦手なことに挑戦する」ことで働きが活発になります。
小さいことにも感謝の気持ちを持ち、他人を褒め1日1回は自分も褒めましょう。年齢にかかわらず新しい脳細胞が育ち、神経細胞からシナプスがドンドン枝分かれして、新しいコネクションを作り、新しい回路が作られ働いていきます。
自分や他者を肯定する
ありのままの自分を受け入れ自分を尊重し自己価値を感じることは、そのままの自分を認める感覚に繋がります。
自己を認めることができると、他者も認めることができるようになります。さらに、他者からも認められるようになりお互いに認められる存在になっていきます。
そのためには、自分を「褒める」ことが大切です。褒めることで、自己肯定感・他者肯定感が強くなり、ストレスにも強くなってきます。
褒めること・褒められることで快感や満足感を持ちドーパミンが分泌され前頭野の働きを高めてくれます。
身近なことで褒めていきましょう。例えば、「部屋の掃除ができた」とか「駅の階段をエレベーターを使わず歩いた」とか「1日笑顔で過ごせた」など。
寝る前に1日を振り返り、反省したら後は「できたこと」を3つ思い出して自分を褒めましょう。
頭のストレッチをする
ストレッチは、身体と同じで頭にも大切です。「頭の筋肉」を伸ばすためには、あまりよく使わない脳の領域を使うことが良いと言われています。
外国語を勉強したり、敢えて苦手なことに挑戦したりすると、普段使わない脳を使うことになります。お手玉やケン玉などの練習も、認知力を上げる脳の運動になります。
また、身体が凝ると脳の運動領域での酸素供給量が増えるため、思考領域の酸素供給量が不足することがあります。
入浴後に身体のストレッチを行い身体の筋肉を解し、脳全体にバランスよく酸素が供給されるようにしましょう。
寝る前にスマホを使わない
スマホには、「ブルーライト」という青色光が入っています。ブルーライトは目に見える光の中で最も波長が短く、エネルギーが強いといわれています。
スマホの普及により、夜にブルーライトを浴びる機会が増えることにより、体内時計の睡眠と覚醒のリズムが乱れてきたと言われています。
目からブルーライトが入ると視細胞で光を感じて、脳の視床下部にある視交叉上核(体内時計の中核と言われています)に情報が伝わります。
またブルーライトは眠りに必要なメラトニンが作られる松果体にも伝わるため、夜にブルーライトを浴びると昼間と判断し、体内時計に睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制され眠れなくなると考えられています。
ブルーライトは、パソコンや電子書籍、LED照明などからも出ています。寝る前は間接照明で、難しい本を読んだり、気持が落ち着く音楽を聴くなどして過ごしましょう。
脳の活性化に関する豆知識
脳を活性化する要素は、普段の生活に沢山あります。朝起きて陽の光を浴びることは、脳内物質のセロトニンの分泌を活性化させます。
人とのコミュニケーションは、表情・身振り手振り・声のトーンなど「非言語」の情報量が多いため脳の広い範囲が刺激されます。
また、家事は最高に脳を鍛えます。掃除と洗濯を同時に行う場合は、段取りを考えながら質の違う作業を並行して行うため、選択と判断の連続になります。また時間制限を設定することで脳は更に鍛えられます。
脳の老化が早い人とは
痩せた人より肥満や過体重の人の脳は、老化が10年進んでいると考えられています。脳の「白質」という情報を伝える場所の神経細胞が減少しやすいからです。
また、スマホでSNSをチェックしたり、ゲームをしたりで、脳に情報をインプット(入力)ばかりで、アウトプット(出力)ができない状態だと脳が疲労しやすくなります。
インプットが過剰になり、感情に関わるセロトニンや、記憶に関わるアセチルコリンなどの神経伝達物質の動きが低下し「脳過労」になっていきます。
脳の疲労は蓄積され脳の老化に繋がると言われています。インプットとアウトプットのバランスが取れていると脳過労は起こりません。
チャレンジ精神が脳を健康に保つ
新しいことにチャレンジすることが、年齢を重ねても脳が衰えない人の共通する生活スタイルです。環境が変わり、適応がスムーズに行かないこともありますが、チャレンジ精神で臨むことが、脳の活性化に繋がります。
「新しい友達を作る」「ソーシャルグループに参加しネットワークを開拓する」「新しい外国語を学習する」「新しいお料理に挑戦する」など積極的に取り組んで行きましょう。
地域のコミュニティーで行うチームスポーツや競技スポーツへの参加は、運動不足の解消と新しい人脈作りにつながり効果抜群です。
常に何か目標を掲げそれに向かって頑張ろうという意欲を持ちましょう。そして失敗を恐れず行動することで今までと違った自分に出会い脳を元気に保てるかもしれません。
脳にいい食べ物のレシピ
【おにぎり】
材料(2個分)
ご飯 : お茶碗2杯
金山寺味噌 : 小さじ2
①おにぎりを2個握る
②フライパンにオーブンシートを敷き、中火で両面おにぎりを焼く
③軽く焼き色が付いたら、片面に味噌を広げて、味噌の部分が軽くこげ色が付くまで焼く
【タコとジャガイモのサラダ】
材料
茹でタコ足 : 1本
ジャガイモ : 大1個(食べやすくカット)
玉ねぎ : 中1個(薄くスライス)
オリーブオイル: 大匙4
レモン汁 : 大匙1
にんにく : 小匙1(すりおろし)
塩・黒コショウ:適量
①ジャガイモを茹でる
②熱いうちに玉ねぎと素早く混ぜ、他の材料も全て加えて混ぜ合わせ、
塩・黒コショウで味を整える。
【ニラツナたまご炒め】
材料(2人分)
ニラ : 1束
ツナの油漬け: 1缶(70g)
人参 : 1/3本(5cmの長さに細切り)
卵 : 1個(溶いておく)
塩 : 少々
ゴマ油 : 適量
①フライパンにゴマ油を中火熱し、人参を炒める
②人参がしんなりしたら、ニラとツナを油ごと加えさらに炒める
③②に溶き卵を入れ炒め、塩で味を調える
④卵が固まったら火を止め、器に盛り付ける。
脳を健康に保つためのワンポイントアドバイス
何事も「静」と「動」のバランスが大切です。新しいことに挑戦し、脳を活性化し刺激を与えたら、適度に休ませてあげましょう。
物事に集中しすぎると脳が疲れてしまいます。時には何もせずぼんやりとする時間(1日5分でも)を作ることが有効です。
またゆっくりと湯船に浸かって何も考えず数字を「ひとーつ」「ふたーつ」と「とーう」まで数え、深く呼吸をすることも脳をリラックスさせます。
まとめ
脳を活性化し健康を保つためにも、しっかりと噛むこと(咀嚼)、バランスのとれた食事を摂ること・作ること、運動すること(血流が良くなる)、お風呂に入って脳を休ませること、人と笑顔で会話することなどが大切です。
どれも身体の健康を保つことと同じですね。新しいことに挑戦することも、難しく考えず、右ききの人が左手を使ったりするなど、今までと違うことをすることで脳に刺激を与えていきましょう。今日からできることにチャレンジして生活に取り入れていきましょう。
健康運動実践指導者・健康管理士一般指導員の勉強を通じて、健康について運動・食べ物・メンタルなど多くの知識を身に付けています。
知識を知恵に換え実践することで、今でも体力年齢は20歳代をキープし、「華麗に加齢」を目指しています。 2019年3月から、一般社団法人日本ランニングファシリテータ協会認定コーチとして、イオンモールで朝活ランニングの指導をするなど、走る楽しさを伝えています。