この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
メンタルを強くしたいと思っている人はいませんか?メンタルが食べ物で強くできたら素敵ですよね。今回は普段の食事を少し気をつけるだけでメンタルが改善される情報をお伝えします。お買い物や外食時にお役立てくださいね。
Table of Contents
メンタルを強くする食べ物
脳内神経伝達物質であるセロトニンの分泌量が十分であると、自律神経のバランスが良いと言われています。
セロトニンは、日中に必須アミノ酸であるトリプトファンを材料として生成され、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
つまり、トリプトファンが不足するとセロトニンやメラトニンが不足してしまうため、不眠症や睡眠の質が低下する可能性があります。
トリプトファンを多く含むタンパク質、トリプトファンの吸収をアップさせる炭水化物、セロトニンの合成が効率的にできると言われるビタミンB6や鉄分を含む食品をバランスよく食べることが大切です。
うつに効く食べ物
うつの原因は、脳内の神経伝達物質のセロトニン不足であると言われています。セロトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンを材料として合成されます。必須アミノ酸は身体で生成できないため食べ物から摂る必要があります。
また、ミネラルの鉄や亜鉛の不足もうつ病と関連する可能性があると言われています。鉄や亜鉛は、肉・魚、卵などに多く含まれ、野菜に含まれるビタミンAやビタミンCと一緒に食べると吸収が促進されます。
うつ対策として、糖分や加工食品の摂りすぎを避け、トリプトファンなどを多く含む魚や豆、乳製品、野菜・果物など、バランスの良い食事を心がけましょう。
また、うつの方は過敏性腸症候群を発症している人が多くみられます。「脳腸相関」が明らかになってきており、腸に善玉菌が増えることで腸内環境が改善されると、うつの症状も改善されたという報告もあります。
ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌を増やす乳酸菌飲料や緑茶を積極的に摂ることでうつの改善効果が期待できます。
セロトニンで精神を落ち着かせる
セロトニンは、「しあわせホルモン」と呼ばれる脳内神経伝達物質で、「ノルアドレナリン(警告ホルモン:怒りホルモン、ストレスホルモン)」や「ドーパミン(快感ホルモン)」と並び、感情や精神面、睡眠などヒトの大切な機能に深く関係する三大神経伝達物質の1つです。
脳は緊張やストレスを感じるとセロトニンを分泌し、ノルアドレナリンやドーパミンの働きをコントロールして、自律神経のバランスを整え、精神を落ち着かせる働きをします。
ストレスが溜まっている時に森林浴したり、リラックス効果のあるアロマの香りで癒されるのは、セロトニンが増え、ノルアドレナリンが減少するからです。
トリプトファンが摂取できる食べ物
トリプトファンが多く含まれる食材は、牛・豚などの赤身肉やレバー(150~250㎎)、カツオ・マグロなどの青魚(300~310㎎)、牛乳(42mg)・ナチュラルチーズ(320㎎)・プロセスチーズ(291mg)などの乳製品、豆腐(100㎎)や糸引納豆(242㎎)などの大豆とその加工食品、果物ではバナナ(10mg)などです。(いずれも可食部100g当たりの含有量)
トリプトファンは、ご飯・パン・麺類などの炭水化物と一緒に摂取すると吸収率がアップし、レバー・魚などのビタミンB6や海藻類・ほうれん草・小松菜など鉄分を含む食材と同時に摂ることで、セロトニンを効率よく合成できます。
※1日摂取量の目安は、体重が60kgの方で120mgです。
ストレスに強くなる食べ物
脳がストレスに強くなるには、カルシウムやマグネシウム、ビタミンC、ビタミンB1、タンパク質などを摂取しすることが大切です。身体は、ストレスを受けるとそれに対抗するホルモンを分泌して、抵抗力をつけていきます。
ビタミンCは、ホルモンの生成に不可欠ですが、ストレスを受けると激減してしまうため、十分に摂取する必要があります。
そして、ビタミンCは熱に弱く、一度にたくさん摂取しても体外に排出されるため、毎日積極的に摂る必要があります。
ビタミンCを多く含む食べ物は、キウイ・みかん、ブロッコリー・小松菜・ピーマンなどです。
ビタミンB1は、炭水化物(糖質)をエネルギーに変える時に必要なため、十分に供給されると気分を落ち着かせる効果があります。
ビタミンB1はビタミンCと同じく、ストレスを受けると大量に消費されるため、日常的に摂取することが大切です。
ビタミンB1を多く含む食べ物は、うなぎ、豚肉、レバー、乳製品、卵、玄米・全粒穀物などです。
メンタルを強くする飲み物
メンタルを強くするには、上手くストレス解消することが効果的です。ストレス解消に効果のある食べ物を摂ることは難しく感じるかもしれませんが、ストレス解消に役立つ飲み物を取り入れることは出来そうな気がしませんか?
飲み物にはたくさんの種類がありますので、その時の気分で飲むことを楽しめ、飲むだけで心も身体もスッキリできる可能性があります。
ホットミルク
牛乳に含まれるカルシウムは、イライラを解消しリラックス効果をもたらすため、安眠効果があると言われています。
また、牛乳に含まれるトリプトファンは「幸せホルモン」のセロトニンを合成し、安眠効果のあるメラトニンに変化するため「寝る前の飲み物」としては最適です。
特に冬に「ホット」で飲むことにより、身体が内側から温まるため、牛乳に含まれれるビタミンB12の働きにより自律神経が整えられストレスが緩和されていきます。
また、冷たい牛乳を飲むとお腹を下す人がいますが、それは牛乳に含まれる乳糖の影響です。冷たいままだと胃腸を冷やしてしまうため、乳糖の分解を遅らせてしまうからです。
ホットミルクにすることで、胃腸を温め乳糖の分解を促すため安心して飲むことができます。
ただし、寝る前は冷たい飲み物のほうが、睡眠の質を向上してくれるため、冷たいまま飲まれることをおすすめします。
牛乳
牛乳は、タンパク質、カルシウム、マグネシウム、ビタミン群(B1、B2, B12 )、パテント酸など多くの栄養素を含むバランスの良い飲み物です。特にカルシウム・マグネシウム・ビタミンB1は、ストレスを優しくほぐしてくれます。
常温の牛乳が、一番身体に吸収されやすいですが、単体で飲みにくい場合は、ビタミン・ミネラル・食物繊維がバランスよく含まれているバナナと混ぜて、バナナ牛乳にして飲むと良いでしょう。
朝食を食べる時間がない時も、牛乳を使った飲み物を飲むことで、ストレス解消に役立つことが期待できます。
炭酸水
炭酸水を飲むことで、血中の二酸化炭素濃度が上がり、より多くの酸素を運ばれるため、胃腸の血管が刺激されます。
その刺激の効果で、身体に水分が吸収されやすくなるため、血液量が増え、新陳代謝が促進され、疲労物質が老廃物として尿と一緒に排出されため、リラックスする神経の働きをよくしてくれます。さらに、炭酸水の喉ごしがストレスを感じた心と身体をリフレッシュさせてくれます。
ただ、「市販」の炭酸飲料の多くは、500mlで50gの糖分が含まれているため、糖分の摂り過ぎになります(世界保健機関(WHO)の糖分摂取量の指針案によると、平均的な成人の場合1日25gまで)。
無糖の炭酸水は、二酸化炭素(炭酸ガス)を水に溶かしているため、カロリーゼロです。最近は店頭でも販売されていますので確認してお求めください。
カフェオレ
コーヒーの香りを嗅いだ際に脳からα波(人がリラックスしているときに出る脳波)が出ることが、杏林大学医学部精神神経科の古賀良彦教授の研究チームで明らかになり、コーヒーのリラックス効果が科学的に証明されました。
また、コーヒーの産地や焙煎によって効果が変わることが解り、グアテマラとブルーマウンテンの深煎りが最も強いα波が見られました。リラックスしたいときは深煎りのコーヒー豆を選びましょう。
コーヒーには、カフェインが含まれていため、交感神経の働きを活発にして、ストレスを感じやすくなる可能性があります。それを避けるため、牛乳を入れてカフェオレとして飲むとよいでしょう。
甘酒
甘酒は、別名「飲む点滴」と言われるほど栄養価が高く、発酵過程で作られるビタミンB1やアミノ酸、食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれています。
アミノ酸由来のGABAは、イライラを抑える効果があり、食物繊維やオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整える働きがあるため、免疫力を高めることも期待できます。
特に米麹由来の天然の甘さは、既にブドウ糖が麹菌によって分解済みのため、効率よく身体に吸収されエネルギー源として使われます。
酒粕甘酒は砂糖が入っているためカロリーが高くなります。米麹甘酒はアルコールもなく砂糖が添加されていませんので、ダイエットの方にはお勧めです。
白湯
白湯とは、一度沸騰させた後、適温(50℃程度「少し熱いなと感じる温度」)まで冷ましたもので「湯冷まし」とも言われています。
白湯を飲むことで、胃腸が温められるため、利尿作用や腸の蠕動運動が活発になり、新陳代謝が促されます。
利尿作用と代謝がアップにより、身体に溜まった老廃物や毒素が排出されやすくなるため、スッキリとした感覚になれます。
また、白湯を適切なタイミングで摂ることは、水分補給に繋がり、血液循環が良くなるため、ストレスに対処するホルモンの働きも活発になります。
飲み過ぎてしまうと必要な栄養素を排出する可能性がありますので、1回200ml程度で1日800mlを目安にしましょう。
メンタルが強くなる栄養素
メンタルが強くなる栄養素は、ミネラルの特に7つの主要ミネラルでもあるカルシウムやマグネシウム、ビタミンCやビタミンB群、またアミノ酸の材料となるタンパク質などです。
ミネラルは全て体内で作ることができず、ビタミンCも同様です。セロトニンの合成の材料となるトリプトファンは必須アミノ酸のため、これも食べ物からしか摂ることができません。
心の乱れとカルシウムの関係
体内のカルシウムの大半は、骨や歯に貯蔵され、残りの1%程度が筋肉や血管、細胞の中に存在しています。
骨以外の細胞で使われるカルシウムは微量ですが、脳の神経細胞の働きをコントロールするなど、神経の興奮と深い関わりがあると考えられています。
体内のカルシウム不足が続くと、それを補おうと、骨からカルシウムがどんどん溶け出し血液中のカルシウムが増え過ぎてしまい、カルシウム濃度を高めてしまいます。
それにより、脳の神経細胞の働きをコントロールできなくなり、過度の興奮状態になるため、落ち着きがなくなり、イライラしやすいと推測することができます。
イライラとマグネシウムの関係
マグネシウムは、身体に必要なミネラルのひとつで、その50-60%が骨や歯に貯蔵され、残りは筋肉や脳・神経・血管に存在し、身体の300種類以上の酵素を助ける補酵素としての働きをしています。
働きの一つには、神経情報の伝達という役割があり、交感神経を抑制する働きがあり、血管を拡張します。
それにより血液の流れが改善されるため、新陳代謝が促されイライラを軽減する効果があると言われています。
また、マグネシウムはカルシウムの吸収を高める働きを持っているため、カルシウムとマグネシウムを2:1の割合で摂取することで、気持ちを落ち着かせることが期待できます。
ストレスとビタミンCの関係
ビタミンCはヒトの体内では作れない栄養素のため、食べ物や飲み物で継続的に摂取しなければなりません。仮に多く摂り過ぎても体外に排出されるため摂り過ぎの心配はありません。
ビタミンCは、脳内ホルモンを調整し、自律神経を整える働きがあるため、不足するとイライラしたり、疲れやすくなるなどの症状が出てきます。
また、身体はストレスを受けると、それに対抗するホルモンを分泌して抵抗力をつけてくれます。
しかし、ストレスを受けるとビタミンCが激減するため、十分に摂取し対抗するホルモンの生成を促す必要があります。ビタミンCを十分摂ることで、ストレス抑制効果・自律神経安定効果が期待できます。
心の落ち着きとビタミンB1の関係
ビタミンB1は、ブドウ糖をエネルギーに変える際にが必要な栄養素です。脳は、ブドウ糖をエネルギー源として使っているため、ビタミンB1が不足すると脳神経系が正常に働かなくなり、身体の疲れやイライラを感じてしまいます。
ビタミンB1もビタミンCと同様にストレスを受けると多く消費されるので、疲れをためないよう、また気分を落ち着かせるために、日常的に摂取することが大切です。食事から摂り過ぎることがない栄養素のため安心して豚肉やレバーなど積極的に摂りましょう。
ストレスとミネラルやタンパク質の関係
ミネラルは、細胞のバランスを維持して神経や筋肉機能を正しく保ってくれます。また、身体の構成成分の4%ですが、これが無いと生きて行けず、体内で作ることができないため食事からバランスよく摂る必要があります。
また、タンパク質は三大栄養素の1つで、身体の調整に役立つホルモンの材料やエネルギー源にもなっている栄養素です。
ストレスに弱い脳は、ミネラルやタンパク質などを大量に消費するので、不足してしまうと益々気持ちが苛立ってしまうという悪循環に陥ります。
まずは、バランスよくミネラルやタンパク質などを摂取して、ストレスに強い脳をつくることがストレスを溜めない身体作りに繋がっていきます。
健康カウンセラー林さとみのワンポイントアドバイス
セロトニンを合成する必須アミノ酸のトリプトファンは魚や豆、乳製品、野菜・果物などに含まれています。
栄養バランスのよい食事は、ビタミンやミネラルも十分摂れるため、イライラを抑え気持ちを落ち着かせることができます。
それにより自律神経の副交感神経が優位になり、ストレスが解消されるため、ストレスに強くなっていきます。
まとめ
ストレスが強くなる栄養素は、体内で作れないものが多いため、食事からとる必要があります。
必要な栄養素が多く含まれる食品を覚えることも大切ですが、加工食品を使わず、新鮮な食材からお料理を作り彩が綺麗であればバランスよい食事になっていることが多いです。
また冷たいものを食べたら温かいものを食べ腸内環境を整えることも脳の健康には大切です。
健康運動実践指導者・健康管理士一般指導員の勉強を通じて、健康について運動・食べ物・メンタルなど多くの知識を身に付けています。
知識を知恵に換え実践することで、今でも体力年齢は20歳代をキープし、「華麗に加齢」を目指しています。 2019年3月から、一般社団法人日本ランニングファシリテータ協会認定コーチとして、イオンモールで朝活ランニングの指導をするなど、走る楽しさを伝えています。