この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
ジョギングは、どんな目的でされていますか?生活習慣病予防やダイエットのためという方も多いと思います。ジョギングをどの程度すれば期待する効果が得られるのか、ウォーキングやランニングと比較しながら、ジョギングの消費量カロリーをご紹介しますので、運動計画の参考にしてくださいね。
Table of Contents
ジョギングカロリーを把握しよう
1回の運動で消費されるエネルギー量は、【運動強度(運動の強さ) x 運動時間 x 体格】で計算できます。
運動強度(運動の強さ)は、体重1kgあたりに身体に取り込まれる酸素の量が指標とされますが、酸素の量は解りにくいため、「メッツ(METs)」が使われています。
「メッツ」とは、座位安静時の酸素摂取量=「3.5ml/kg/分(体重1kgあたり、1分間に3.5ml酸素を摂取)」を「1」としたときに、ある運動のエネルギー消費量が座位安静時代謝量の何倍になったかで、「運動強度(運動の強さ)」を示します。
【エネルギー消費量(kcal) = 1.05 x メッツ・x 時間(hour) x 体重(kg) 】となります。
軽いジョギングで消費するカロリー
軽いジョギングの運動強度は「6.0メッツ」です。
体重60kgの方が1時間軽いジョギングした場合、1.05 x 6メッツ x 1(時間) x 60kg = 378kcal
半分の30分(0.5時間)の場合は、1.05 x 6メッツ x 0.5(時間) x 60kg = 189 kcal
更に半分の15分(0.25時間)の場合でも94.5kcalを消費します。
アサヒスーパードライ・キリン一番搾り・ハイネケンなどは350ml缶で140-147kcalあります。美味しく飲みたいと思う方は、30分ほど走ることをお奨めします。
ウォーキングの消費カロリー
やや速足(平地で93m/分 = 1kmを約11分で歩くスピード)の運動強度のメッツは、「4.0メッツ」です。
同じように体重60kgの方が1時間やや速足をした場合、1.05 x 4メッツ x 1(時間) x 60kg = 252 kcal
かなりの速足(平地で107m/分 = 1kmを約9分30秒で歩くスピード)の運動強度は、「5.0メッツ」です。体重が60kgの場合は、1.05 x 5メッツ x 1(時間) x 60kg = 315kcalとなります。
小腹が空いたときに食べたくなるドーナツ(チョココーティングなどのデコレートがないタイプ)は、1個220-230kcalです。
30分のランニングで消費するカロリー
1km当たり約7分45秒(131m/分)で走る運動強度は、「8.0メッツ」で、1km当たり約6分20秒(161m/分)の場合は、「10メッツ」になります。
運動強度「8.0」で、体重60kgの場合:1.05 x 8メッツ x 0.5(時間) x 60kg = 252 kcal
運動強度「10」で、体重60kgの場合:1.05 x 10メッツ x 0.5(時間) x 60kg = 315 kcal
運動強度「8.0メッツ」で30分走る場合と、運動強度「4.0メッツ」で1時間歩く場合とは、同じ消費カロリーになります。
時速7キロのジョギング消費カロリー
時速7キロは、1kmを8分30秒(116m/分)で走ることになり、運動強度は、「約7.0メッツ」です。
体重60kgの場合、1.05 x 7メッツ x 1時間 x 60kg = 441kcal
1km当たり約6分20秒(161m/分)の速さ = 「10メッツ」で42分間ランニングした時の消費カロリーと同じになります。
強度の強い運動を短時間する場合と、中程度の運動を長い時間する場合と、どちらが続けやすいかで選ぶのも良いでしょう。
距離別の消費カロリーをご紹介
運動時の消費カロリーは、[運動強度・時間・体格]で決まります。運動強度が高い場合は疲労も大きく長く続けることが難しいです。
しかし、比較的強度の低い運動は、時間当たりの消費カロリーは少ない反面、長い時間続けることができるため、結果的に、消費カロリーが多くなることに繋がります。自分の体力に合わせて無理なく取り組める強度や距離を見つけていきましょう。
ランニング1kmの消費カロリー
ランニング1km当たり約6分20秒(161m/分)のスピードは、「10メッツ」です。
体重60kgの場合:1.05 x 10メッツ x 0.105(時間) x 60kg = 66.1 kcal
体重80kgの場合:1.05 x 10メッツ x 0.105(時間) x 80kg = 88.2 kcal
1km当たり約7分45秒(131m/分)のスピードは、「8.0メッツ」です。
体重60kgの場合:1.05 x 8メッツ x 0.129(時間) x 60kg = 65.0 kcal
体重80kgの場合:1.05 x 8メッツ x 0.129(時間) x 80kg = 86.7 kcal
※ 体重の重い人の方が消費するカロリーは多くなります。
5キロのランニングで消費するカロリー
ランニング1km当たり約6分20秒(161m/分)のスピードで5キロ走る場合
体重60kgの場合:1.05 x 10メッツ x 0.527(時間) x 60kg = 332.0 kcal
体重80kgの場合:1.05 x 10メッツ x 0.527(時間) x 80kg = 442.7 kcal
1km当たり約7分45秒(131m/分)のスピードで5キロ走る場合
体重60kgの場合:1.05 x 8メッツ x 0.646(時間) x 60kg = 325.5 kcal
体重80kgの場合:1.05 x 8メッツ x 0.646(時間) x 80kg = 434.1 kcal
※ 運動強度が高くない場合は、長い時間走ることで、同じ程度のエネルギーを消費できます。
ジョギング15kmの消費カロリー
ジョギング1km当たり8分30秒(116m/分)のスピードは、「約7.0メッツ」です。
体重60kgの場合:1.05 x 7メッツ x 2.125(時間) x 60kg = 937.1 kcal
体重80kgの場合:1.05 x 7メッツ x 2.125(時間) x 80kg = 1,249.5 kcal
1km当たり8分30秒のジョギングで、フルマラソン(42.195km)を走った場合、6時間で完走でます。
「1kmを8分30秒は何とか走れるから、それを42.195kmならチャレンジしたいな」という気分になってきませんか?
消費カロリーも体重60kgの場合は、2,646kcalと1日の摂取カロリーを超えたエネルギー消費になります。
摂取カロリーはどれくらい?
1日に必要な総エネルギー消費量は、基礎代謝量(約60%)+身体活動量(約30%)+食事誘発性熱産生(約10%)の3つで構成されています。
基礎代謝量は寝ていても消費されるエネルギーで、食事誘発性熱産生は食べ物を消化する際に必要なため、一個人では大きな変化はありません。
つまり総エネルギー消費量は、身体活動が活発か如何によって決まります。身体活動が活発で筋肉量が多く基礎代謝量も多い人は、摂取カロリーを高くして十分な栄養補給を行う必要があります。
成人男性が1日に摂取するカロリーの目安
年齢・身長・体重で凡その値を「ハリス-ベネディクトの式」(日本人式)で計算できます。
基礎代謝量 = 66+13.7 × 体重(kg) + 5.0 × 身長(cm) – 6.8 × 年齢
40歳で身長が175cm、体重65kgの場合、66 + (13.7x65kg) + (5.0x175cm) – (6.8×40) = 1,559.5kcal = 基礎代謝量
これに身体活動レベル(普通)は、基礎代謝量の1.75倍ですので、1,534.5kcal x 1.75 = 2,729.1kcal=1日の推定摂取カロリーとなります。
身体活動レベル低い:1.5倍(1.40-1.60)
※生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合
身体活動レベル普通:1.75倍(1.60-1.90)
※座位中心の仕事だが、通勤・買い物・家事・軽いスポーツなど実施の場合
身体活動レベル高い:2.0倍(1.90-2.20)
※移動や立位の多い仕事、或いは活発な運動習慣をもっている場合
成人女性が1日に摂取するカロリーの目安
基礎代謝量 = 665 + 9.6 × 体重(kg) + 1.7 x 身長(cm) – 7.0 x 年齢
35歳で、身長が158cm、体重が50kgの場合
665 + (9.6x50kg) + (1.7x158cm) – (7.0×35) = 1,168.6kcal = 基礎代謝量
これに身体活動レベル(普通)は、基礎代謝量の1.75倍ですので、1,168.6kcal x 1.75=2,045.0kcal
20歳代から10歳ずつ年齢を重ねるごとに、基礎代謝量が50kcal減少すると言われているので、50歳代になると20歳代と比べて200kcal少なくなる可能性があります。
基礎代謝量が減少する原因の1つは、筋肉量の低下です。適度な運動を継続することで、筋力量を維持し、基礎代謝量をキープすることができるので安心してください。
ジョギング先生のワンポイントアドバイス
走ることに慣れるまでは、ゆっくりと周囲の景色を楽しむ余裕を持てる程度の速さで、ジョギングを継続することを優先しましょう。
きつくない運動で時間を長くすることで、カロリー消費は多くなります。また筋力もついてきますので、自然とスピードも早くなっていきます。徐々に運動量を増やし、急激に身体への負荷をかけないことが継続の秘訣です。
【カテゴリー】この記事のカテゴリーはカロリーに関するジョギング効果です。
まとめ
どの程度の速さで、どれだけの時間走れば、どのくらいエネルギーを消費しているか「意識する」ことで、モチベーションが上がりますね。
ジョギングでも速さを変えたり、また、ウォーキングや運動に慣れてきたらランニングを取り入れて、その日の体調や気分で運動にバリエーションを持たせ、楽しく消費カロリーを調整していきましょう。
健康運動実践指導者・健康管理士一般指導員の勉強を通じて、健康について運動・食べ物・メンタルなど多くの知識を身に付けています。
知識を知恵に換え実践することで、今でも体力年齢は20歳代をキープし、「華麗に加齢」を目指しています。 2019年3月から、一般社団法人日本ランニングファシリテータ協会認定コーチとして、イオンモールで朝活ランニングの指導をするなど、走る楽しさを伝えています。