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ジョギングは、主に脚の筋肉を使うため、下半身の筋肉は増えると思っていませんか?走っても筋肉が減少する場合があるのです。この記事では、ジョギングで筋肉が増減する仕組みについてご紹介しますので、是非、今後の走り方にお役たてくださいね。
Table of Contents
ジョギングで足の筋肉は増えるのか減るのか?毎日ランニングする効果
お尻・太もも・ふくらはぎといった下半身の筋肉は、ランニングによって自然と鍛えられます。また、ランニングの際に、重心がブレないよう意識すれば、身体を支えるために、お腹周りの筋肉(腹筋・背筋)が鍛えられます。
身体を動かすエネルギーとして、主に糖質→脂肪→タンパク質の順で使われていきます。普段から筋トレなどで身体を鍛え筋肉量の多い人は、脂肪が少ないため、毎日30分以上のジョギングで、筋肉量が減少してしまうことがあります。
ジョギングで落ちる筋肉
筋肉を維持するためには、筋肉にある程度の刺激を与えることが必要です。負荷の低いジョギングの場合は、筋肉量を維持することが難しくなる可能性があります。
今までウェイトトレーニング(無酸素運動)を中心に鍛えていた人が、ジョギングに切り替えることで有酸素運動の割合が多くなり、結果、筋肉が落ちてしまうことがあります。
また、ダイエット中の人が、長い時間走り続けることで、糖質や脂肪がエネルギーとして使い果たされ、筋肉中のタンパク質(アミノ酸)がエネルギーとして使われるため、筋肉が落ちることになります。
体力維持・運動不足解消などで、週2-3日、1日30分程度のジョギングでは、どんどん筋肉が落ちていくことはありません。どうしても気になる方は、筋力トレーニングを取り入れることで、筋肉を刺激していくことをお奨めします。
ジョギングで筋肉つく部位
ジョギングでは太もも・ふくらはぎなどの下半身と、身体を支えるための体幹(腕や脚以外の部位)の筋肉が鍛えられます。
走っているときによく使う脚の筋肉は、太ももの前(大腿四頭筋)、太ももの後(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)です。
体幹部分では、お尻(大臀筋・中臀筋)、腹筋(腹直筋・腹斜筋)、背筋(広背筋・僧帽筋・背柱起立筋)などです。特に肩甲骨周りの広背筋は、腕の筋肉(上腕三頭筋)と合わせて腕振り時に使われます。
体幹が鍛えられると、正しい姿勢が維持しやすくなるため、足腰への負担が軽減されケガ防止に繋がります。
おしりの筋肉は減る?
普段歩くときは、ほとんどお尻の筋肉を使わないため、走ることで筋肉がついてきます。走るスピードが速くなると、特に、お尻(大臀筋・中臀筋)と太ももの後(ハムストリングス)の筋肉を使うことになります。
脚の軌道が大きくなることで、自然と歩幅(スライド)は広くなり、着地後の蹴りだし(踏みつけ)の力が必要にるため、お尻の筋肉が増えていきます。
また、着地時の衝撃をお尻で支えることができると、重心が身体の真下にあるため、踏みつける力(反発力)が強くなり、自然と足が前に出て推進力が増していきます。
また、やや前傾の腰高姿勢が維持できるため、軸足の膝が伸び結果的にフォアフット走法になっていきます。
上半身の筋肉は?
筋肉量が少ない人や運動不足の人は、しっかりと肘を90度に曲げで腕を後ろに振ることで、肩甲骨周りの筋肉(広背筋など)や腕の後(上腕三頭筋)が鍛えられます。
また、身体を支えるために、腹筋や背筋を使うため、徐々に筋肉が付いてきたと感じられます。
しかし、ウェイトトレーニングなどで上半身を鍛えている筋肉質の人は、筋肉が減少してしまうことがあります。
走る(有酸素運動)時間が増えることで、筋トレ(無酸素運動)の時間が減ってしまうこと、ジョギング時の上半身の筋肉への刺激が少ないことで、筋肉量が減る可能性があります。
ジョギングで使う筋肉はどこ?
ジョギングは、正しい姿勢・ある程度のスピードで走ると全身運動になります。負荷の少ないジョギングの場合は、太ももの前(大腿四頭筋)、太ももの後(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)などを脚の筋肉を中心に使います。
- 大腿四頭筋:地面に着地した時の衝撃を吸収し、膝が崩れないように足の動きを支える筋肉
- ハムストリングス:膝を曲げたり地面を蹴りだしたりする時に使われる筋肉
- 腓腹筋:膝関節の屈曲(曲げる)や、足関節の屈曲(つま先伸ばす)動作に作用する筋肉
- ヒラメ筋:足首を動かす際など足関節の動きのみに作用する筋肉
筋肉を落としたい場合と落としたくない場合
筋肉太りの太ももやふくらはぎの筋肉を落としたい場合は、先ずは筋肉をストレッチなどで柔らかくすることが重要です。
多くの場合、内側が脂肪で外側が筋肉と言う二重構造になっているため、しっかりと呼吸して筋肉をリラックスさせ脂肪が燃焼されやすい状態にすることが大切です。
また筋肉を落としたくない場合は、「有酸素運動」と「無酸素運動」をバランスよく取り入れ、無酸素運動の後に有酸素運動をすることで効率よく鍛えることができます。
筋肉を落としたい時のジョギング
スロージョギングのあとは、クールダウンとして、静的ストレッチを行います。ゆっくりと大きく呼吸を行うことで、筋肉の緊張を取りリラックスさせていきます。1つの動作を30秒程度反動を付けず行うことで、筋肉が徐々に緩んできます。
また、お風呂上がりなど筋肉が温まった状態は、血行が良くなっており、内部の脂肪が燃焼されやすいため、ストレッチやマッサージが効果的です。
硬くなった筋肉は、簡単に柔らかくならないため、気が付いたときに短い時間でもマッサージを毎日続けることがポイントです。
また、特に太ももの内側の内転筋が弱い(O脚、腰痛など)ために、太ももの他の筋肉ばかり使うことで太くなっている場合があります。その場合は、弱い筋肉を鍛え太もも全体のバランスを整えることが大切です。
筋肉を落とさないためにどうすれば良い?
「有酸素運動」と「無酸素運動」のバランスが一番重要になってきます。同じ日に有酸素運動と無酸素運動をする場合は、筋トレなどの無酸素運動を先に行ってからジョギング(有酸素運動)をしましょう。
エネルギー源が十分にある状態で筋トレを行うことで、効率よく筋肉を増やすことができます。
また、筋トレなどの無酸素運動により、糖質が少なくなっており、その後に有酸素運動を行うことで、脂肪がエネルギー源として消費されるため、脂肪の燃焼効率がアップします。
通常、2-3回/週で、1回30分程度のジョギングは、心肺機能を維持できると考えられています。
走り出して20分程度から脂肪が燃えやすくなり、30分以上走ると糖質や脂質が不足してくるため、エネルギー源としてタンパク質が使わる可能性があります。筋肉を落とさないためには、30分前後に抑えておくと良いでしょう。
スロージョギングはどう作用する?
スロージョギング(LSD=Long Slow Distance)は、ウォーキングと比較して1.6倍のカロリーが消費でき、ダイエット効果が期待できます。また、人と話ができるペースのため、「疲れない」で楽に続けることに繋がります。
ゆっくり走ることで、正しい姿勢を意識できます。背筋を伸ばしやや前傾姿勢で目線は10m程度先を見る、脚はフォアフット走法(指の付け根着地)で重心の真下着地。これにより膝や腰への負担が少なくなるため、ケガを防止できます。
筋肉疲労により乳酸が発生しない程度のペースのため、血液循環が良くなり、疲労回復や老廃物排出が促進され、身体全体の調子が整ってきます。
ジョギングで筋肉痛になったら
筋肉に負担がかかることで、その修復過程で痛みが発生します。熱を持っていたり腫れている場合は、氷で冷やしましょう。
腫れや痛みが引いたら、血行をよくするために温めましょう。ストレッチやマッサージをすることでも血流が良くなるため、修復に必要な栄養素や酸素が十分に届けられ、早い回復が期待できます。痛みがあるときは無理せずしっかりと休養を取ることも大切です。
アイシング
筋肉痛は、筋繊維がダメージを受けて炎症を起こしているため、熱を持っていたり、腫れているときは、氷嚢やアイスマットで患部を冷やしましょう。
冷やし過ぎると血流を悪くする可能性があるため、15-20分程度にしましょう。1-2時間経過しても熱が引かないときは、再度15-20分程度冷やすことを繰り返します。
ストレッチ
熱や腫れが引いた後は、患部の血流を良くすることが大切です。ゆっくりと呼吸しながらストレッチを行うことで、血液の流れが改善されます。
30秒程度反動を付けずじわっと伸ばすことで、運動で硬くなった筋肉をほぐす効果も期待できます。運動前に動的ストレッチを行うことで、筋肉が温まるため筋肉痛予防に役立ちます。
温冷交代
血行を良くする方法として、温冷交代浴があります。先ず40度程度の温かいお湯に浸かることで血管が拡張します。
次に冷たい水をかけることで筋肉と血管が収縮します。このように血管が、拡張と収縮を繰り返すことで血流が良くなり、毛細血管まで血液が届くことになります。
温度が10度違うことで温冷を感るため、40℃程度のお湯に3分浸かり、湯船から出て30℃程度のぬるま湯のシャワーを腕や脚に30秒ほどかけます。これを3-5回繰り返すことで、効果が得られるため、自宅でも簡単に行えます。
休養
走ってしばらくすると、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは、疲労回復や筋肉増量に効果があると言われています。
成長ホルモンは22-2時の間に活発に分泌されるため、早目の就寝を心がけましょう。また、傷ついた筋肉はより強くなろうと「超回復」を起こします。
超回復には24-72時間かかると言われているため、運動習慣がある人でも1-2日は休養を取ることが大切です。
ジョギング先生のワンポイントアドバイス
ジョギング(有酸素運動)と筋トレなどの無酸素運動をバランスよく行うことで、筋力を維持・強化していくことができます。
ジョギングでもある程度強度を高めることで全身運動になるため、脚だけでなく、お尻や体幹・腕なども鍛えることが大切です。
全身の筋力のバランスが良くなることで、正しい姿勢で走ることができ、ケガ無く楽に走り続けることができます。
【カテゴリー】この記事のカテゴリーは毎日ジョギングする効果です。
まとめ
健康維持や運動不足解消を目的にしたジョギングでは、主に脚の筋肉が鍛えられます。ジョギングの強度も徐々に上がってきたときは、体幹部や腕の筋肉を付けることで走りも安定してきます。
走り過ぎることで筋肉が減少してしまうことがあるため、適度な運動で筋肉を維持していきましょう。
健康運動実践指導者・健康管理士一般指導員の勉強を通じて、健康について運動・食べ物・メンタルなど多くの知識を身に付けています。
知識を知恵に換え実践することで、今でも体力年齢は20歳代をキープし、「華麗に加齢」を目指しています。 2019年3月から、一般社団法人日本ランニングファシリテータ協会認定コーチとして、イオンモールで朝活ランニングの指導をするなど、走る楽しさを伝えています。