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「空腹でジョギングって力が出ない」「満腹では身体が重くて走れない」と思いますよね。この記事では、空腹で走ることのメリットやデメリット、どのくらいの運動強度で走ると良いのかをご紹介しています。是非、腹具合に最適なペースで走ってみてくださいね。
Table of Contents
空腹でジョギングするのは効果あり?


空腹時は身体の糖質(炭水化物)が少ない状況のため、運動のエネルギーとして脂質(脂肪)が使われやすくなります。走る時間の短い人は、効率的に脂肪燃焼効果を得られる可能性があります。
ダイエットを目的としている人は、しっかりと水分補給をし中程度の運動強度で走ることでエネルギーとしてタンパク質が使われることを防ぐことができます。また、ジョギング後30分以内にタンパク質を摂ることで筋肉の回復が促進されやすくなります。
空腹ランニングと筋肉の関係
脂肪は筋肉や内臓脂肪・皮下脂肪として大量に貯蔵されており、運動の継続によって筋肉の脂肪から皮下脂肪の脂肪へと利用の割合が多くなります。
また、中程度の運動において脂肪の利用率が高くなります。糖質も筋肉や肝臓に貯蔵されていますが約400g程度と限られています。空腹時はエネルギー源となる糖質が不足しているため、エネルギーとして脂質が使われることになります。
また、適度な空腹時は消化に必要な血液が不要なため、筋肉に血液が分配されやすい状態になります。安静時の血流分配は筋肉に20%程度、内臓に25%程度ですが、強い運動時には筋肉に安静時の20倍まで血液量が増え、逆に内臓は1/4まで減少します。
空腹で走った後30分以内にタンパク質を摂ることで、タンパク質の吸収がアップし筋肉の回復が効率よく行われます。
ダイエットとの関係
有酸素運動はエネルギーとして糖質と脂質が使われます。運動開始時は主に糖質が使われ20分程度経過後から脂質の利用が増えていきます。
空腹時は糖質が不足しているため、普段より早い段階で脂質がエネルギーとして使われるためダイエットには効果的です。
長距離を空腹で走ると低血糖状態になる可能性があるため、小まめな水分補給が大切です。適当な水分を摂ることで血液の流れが良くなります。血流が良いと栄養補給が適宜おこなわれるため、運動強度が強すぎなければ問題なく走ることができます。
体重50kgの人が運動強度7メッツのジョギングを30分実施した時の消費エネルギー量は約184kcalです。脂質1gを消費するエネルギー量は9kcalで、糖質は4kcalです。
脂肪を燃焼させるには多くのエネルギーが必要で、空腹時のジョギングは脂質利用効果が高くなるため、ダイエット促進が期待できます。
タイムとの関係
急に速い速度で走ることは低血糖を引き起こす危険性が高くなるかもしれません。空腹時は身体への負担が少ないゆっくりめのペースがおすすめです。
スロージョギングの運動強度は4-6メッツで中程度の運動強度のため、最も脂肪燃焼効率が高くなります。4メッツ=約15分/km、5メッツ=約12分/km、6メッツ=約9分/kmの速さで、筋肉の負荷が軽いため、空腹でエネルギーが不足していても走ることができます。
ジョギングは7-10メッツと少し強度が上るため、低血糖になってしまうかもしれません。血糖値が下がり過ぎると血糖値を上げるため、副腎皮質ホルモンが分泌され、筋肉のタンパク質をエネルギーとして使われてしまいます。
※メッツは、安静座位の状態を1METとして、様々な活動がその何倍のエネルギーを消費するか示した活動強度の指標です。
満腹の時との影響差
満腹の時は十分な糖質があるため、エネルギーとして主に糖質が使われます。運動開始から20分経過すると脂肪の消費量が徐々に増えていくため、空腹時と同じ時間走った場合は脂肪燃焼効果が少ない可能性があります。
通常満腹のときは、普段より多くの血液が胃腸に集中し消化を促進します。しかし、満腹時にジョギングをおこなうと筋肉を動かすために多量の血液が必要なため、消化不良を起こし腹痛の原因になるかもしれません。また、消化不良では摂取した栄養素を十分吸収できないことになってしまいます。
食べ物により消化に必要な時間が異なりますが、食後2-3時間経過後は消化吸収に影響なく走ることができます。
空腹でジョギングするデメリット


空腹時は血液中のぶとう糖が減少しているため、脳から「エネルギー不足」のサインが出されます。いわゆる血糖値が下がった状態のため、無理をするとめまいや貧血を起こしてしまうかもしれません。
身体に負荷の少ない運動強度のジョギングは、消費エネルギー量が少ないため、空腹を耐えて走ってもダイエット効果が感じられるまで時間がかかる可能性があります。
力がでなくて走れない場合がある
血液中の赤血球は体中に酸素を運ぶ大切な役割がありますが、ミトコンドリアを持たないためエネルギー源としてぶどう糖(グルコース)が必須です。ふどう糖が不足すると赤血球が死んでしまい、身体に酸素を供給できなくなるため、最低限のぶどう糖が必要です。
ミトコンドリア(細胞内小器官の1種)は、赤血球以外の全ての細胞に存在し酸素を使ってエネルギーを生み出す働きを担っています。
体内に貯蓄できるぶどう糖(肝臓ではグリコーゲンとして貯蓄される)は少ないため、食事をしないと食後12時間程度で使い果たしてしまいます。
糖質(ぶどう糖)不足により赤血球の働きが低下するため、筋肉に栄養素が届けられず身体から力が抜けてしまう可能性があります。
食後3時間くらいからグルコース以外の物質(アミノ酸、乳酸、グリセロール)からグルコースを合成する「糖新生」のシステムが動き始めます。主に使われる材料はアミノ酸になるため、空腹時に運動しすぎると筋肉が減少することに繋がってしまいます。
余計にお腹すく
空腹な状態は血液中の糖質が減少し血糖値が低くなっています。されにジョギングすることで糖質が欠乏し脂質がエネルギーとして使われます。糖質が枯渇し血糖値が低下すると、脳が「エネルギー不足」と指令を出すため空腹感が強くなります。
低血糖で気分が悪くなったり、筋肉に力が入らない場合は、氷砂糖や飴玉で糖分を補うと良いでしょう。また水分としてミネラルウォーターだけでなく、スポーツドリンクを薄めたもので糖質を補給することもおすすめです。
また「運動したから少々食べても大丈夫」という気持ちで、早食いや油ものから食べてしまうと栄養の吸収がアップし食べ過ぎに繋がります。
お腹がすいていても1口30-40回噛み、[野菜→スープ類→タンパク質→糖質]の食べる順序を守ることが大切です。
頑張っても体重減らない場合がある
スロージョギングは身体に負担が少なく空腹でも走れる強度です。スロージョギングの運動強度は4-6メッツで中程度になります。
体重50kgで30分走った場合の消費エネルギーは、105kcal~160kcaです。1kgの脂肪を燃焼させるには46~70日必要となり、毎日走ったとして1月半から2ヶ月以上かかるため途中で止めてしまうことになるかもしれません。
体重の減少は、[消費エネルギー>摂取エネルギー]の関係が重要です。空腹時に身体の負担が少ない運動をするよりも、食後2-3時間後からジョギング程度の運動強度7-10メッツをおこなう方が消費エネルギー量が増加します。また運動量が多くなると筋肉が徐々に増えるため、基礎代謝量がアップし体重が減る可能性が高くなるかもしれません。
空腹でジョギングする場合のペースとやり方


空腹のときは血糖値が低く血液中の糖分が不足しがちです。運動強度の強い時速10km以上の速さで走ると低血糖で貧血を起こす可能性があります。
また空腹時は身体へ負担がかかるため、負担の少ないペースや走り方を取り入れることで長い時間走ることができます。強度の低めの運動で時間を増やすことは、脂肪を効果的に燃焼させることに繋がります。
空腹時に無理のないペースとは
空腹時に走ることは身体に負担をかけることになります。ジョギングの運動強度は速さにより異なりますが、7-10メッツの範囲となり少し強くなります。7メッツ=約8分30秒/km、8メッツ約7分30秒/km、9メッツ=約7分/kmと徐々に強度が強くなります。
スロージョギングは4-6メッツで中程度の強度です。4メッツ=約12分/km、5メッツ=約10分45秒/km、6メッツは約9分30秒/kmとなります。
特に初心者は空腹時に走り慣れていないため、身体への負担が更に大きくなる可能性があります。運動強度が低めの4メッツから始めることをおすすめします。食べた食材により消化の早さが違ってくるため、その日の体調に合わせてペースを決めると良いでしょう。
空腹時の走り方
脂肪が燃焼されやすい中程度の運動強度が最適です。ジョギングは7-10メッツとなり空腹時の速度として速すぎます。先ずは、4-6メッツのスロージョギングから始めると空腹時でもきつさを感じず走れます。
スロージョギングは、人と話が楽にできる速さのため、正しいフォームを確認することができます。
- 背筋を伸ばして股関節をやや前傾
- 視線は前方向(10-20m先を見る)
- 腕は肘を曲げて肩甲骨から後ろに引く
など姿勢を意識することで空腹感を忘れることができるかもしれません。
また、運動強度は筋力や体力により個人差があるため、心拍数で客観視することが大切です。運動時の心拍数は、年齢や安静時心拍数などにより異なってきますが、概ね心拍数110-120拍/分前後を目安に始めましょう。
空腹時の注意点
空腹時は体内の糖質(ブドウ糖)が減少した状態です。脳は主に糖質をエネルギーとして使うため集中力がなくなり注意散漫になるかもしれません。何でもないところで毛躓いたり、後ろからくる自転車に気づかずケガに繋がるかもしれません。
また、運動強度が高くなってしまうと筋肉の構成物質であるタンパク質がエネルギー源として使われるため、筋肉が減少してしまう可能性があります。
調子よく走っていたも急に脱力感に襲われたときは、飴玉など糖質補給に即効性のあるものを食べると回復します。力が入らない状態で走ることは危険ですので、無理せず走ることを停止しましょう。
ジョギング先生のワンポイントアドバイス

夕食までに身体に負担が少ないペースで走るとジョギングを習慣化しやすくなります。また、夕方のジョギングは成長ホルモンの分泌が活性化されるため、寝ている間に身体の修復や回復にも効果的です。
食後2-3時間から走ることが胃腸に負担がかからず最適です。身体に適度な糖分があるため、筋トレをおこなってから走ると脂肪燃焼が早まります。
【カテゴリー】この記事のカテゴリーはジョギングペースとやり方です。
まとめ
空腹時は身体の糖質が不足している状態で、エネルギーとして脂質が使われる割合が増える可能性があります。身体に負担のないスロージョギングは空腹でも走れるペースです。走るフォームや周りへの配慮を意識することでケガなく走り続けられます。

健康運動実践指導者・健康管理士一般指導員の勉強を通じて、健康について運動・食べ物・メンタルなど多くの知識を身に付けています。
知識を知恵に換え実践することで、今でも体力年齢は20歳代をキープし、「華麗に加齢」を目指しています。 2019年3月から、一般社団法人日本ランニングファシリテータ協会認定コーチとして、イオンモールで朝活ランニングの指導をするなど、走る楽しさを伝えています。