脳卒中の予防法!健康のための必見情報

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脳卒中の予防は、生活習慣病(高血圧症・糖尿病・脂質異常症)のコントロールが重要です。バランスの良い食事(塩分を控えめ)、適度な運動と実のある睡眠で生活習慣病を防ぎましょう。自分の身体の状態を意識し、異常を感じたら検診を受けましょう。

健康カウンセラーの林さとみと申します。私が皆様のお悩みを解決します!
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ
相談者のAさん
相談者のAさん
健康面で悩んでいますので、色々質問させて下さい!

脳卒中予防十か条

脳卒中予防

脳卒中を引き起こす原因として若い時からの生活習慣の積み重ねがあります。高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の危険因子が脳卒中発作の誘因となります。

相談者のAさん
相談者のAさん
脳卒中の予防法を教えてください。

そこで「脳卒中予防十か条」をお伝えします。

1.高血圧の治療

2.糖尿病の改善

3.不整脈の検査

4.たばこをやめる

5.アルコール控え目にする

6.高コレステロールをチェック

7.食事の塩分・脂肪を控えめにする

8.運動をする

9.太りすぎに注意

10.脳卒中発症なら病院へ直行

脳卒中予防十か条を紹介します
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

 

高血圧の治療

血圧は、脳卒中の最大の危険因子で、心臓病など他の病気とも絡んでくる大変重要な要素です。血圧をコントロールすれば脳卒中のリスクも下げられます。

目標値は原則:140/90mmHg未満

合併症がある場合:130/80 mmHg未満

後期高齢者(75歳以上の高齢者):150/90 mmHg未満

 

高血圧を治療することが脳卒中には最も効果的です。薬物療法の進歩で、ほとんどの高血圧は確実に治療できるようになりました。

そして、収縮期血圧を10~20mmHg下げると脳卒中発症率が50%低下することがわかっています。先ずは、塩分を控えめにして、適度な運動を続けましょう。

 

糖尿病の治療

糖尿病の人は、健康な人よりも脳梗塞の発症率が高いことがわかっています。糖尿病は、血糖値が常に高い状態が続くため血管の内側から活性酸素が大量に発生し、糖が血管で渋滞するため活性酸素が血管を傷つけてしまいます。そして長い時間をかけて血管をボロボロにしていきます。

糖尿病は、まず食事・運動療法でコントロールしますが、より重症であれば、薬物治療を行います。

血糖コントロールの目安になるHbA1c値を1%低下させると、脳卒中(主に脳梗塞)の発症率は12%低下するとされています。

戦後の欧米化の食事により糖尿病が増えています。血糖値が急に上昇しない食材、食べる順序、食べる時間を意識して食事をするようにしましょう。食後の運動も血糖値の急上昇を防ぎます。

 

不整脈があれば検査

不整脈とは、脈がゆっくり打つ、速く打つ、または不規則に打つ状態を指し、脈が1分間に50以下の場合を徐脈、100以上の場合を頻脈といいます。

不整脈には病気に由来するものと、そうでない、生理的なものがあります。たとえば運動や精神的興奮、発熱により脈が速くなりますが、これはだれにでも起こる生理的な頻脈といえます。

一方、明らかな誘因がないのに、突然脈拍が120以上になる場合は病的な頻脈の可能性があります。

不整脈の一種である心房細動を持っている人は、心臓内で血が固まりやすく、これが心原性脳塞栓症の原因となります。

65歳以上の高齢者の5~10%が心房細動を持っています。心房細動は、たいした自覚症状がないので、放置されていることも少なくありません。

脳梗塞は心房細動を持つ人の全てに起こるのではありませんが、特に心臓病や高血圧・糖尿病を持っている人は注意が必要です。

また適切な量のワルファリン(抗凝固薬)を服用していれば、どのようなタイプの心房細動でも脳梗塞を予防できます。ですが、出血性合併症を起こしやすいという難点もあるので、具体的なことは専門医に相談しましょう。

 

たばこをやめる

喫煙は、高血圧の次に脳卒中の危険因子です。特にクモ膜下出血や脳梗塞の発症率を上げます。発症率は非喫煙者に比べ2-3倍高くなります。

「長年タバコを吸っているから今さらやめても変わらない」という人がいますが、そんなことはありません。長年吸っていたとしても、やめた分だけ予防効果が期待できます。

また万一脳卒中になった場合、重症度が下がる可能性もありますので、諦めずに今からでも禁煙してください。

ばこには200種以上の有害物質があり、中でも「ニコチン」「一酸化酸素」「タール」が三悪です。

ニコチンは、血管を収縮させ、血圧を上昇させ、動脈硬化を促進すると言われています。一酸化炭素は酸素よりも早く赤血球と結びつくので、喫煙者の血液は酸素不足で流れにくくなります。百害あって一利なしです。

 

アルコールを控え目にする

アルコールは、適量を飲む方がコレステロールを下げるなどの良い効果があると言われています。アルコール量20g/日(日本酒なら1合、ビールなら500ml)程度をお勧めします。

しかも適量飲酒は、ほとんど飲まない人より、善玉のHDLコレステロール値が高くなり、結果的に心筋梗塞の発症率が低くなることがわかっています。

アルコールは控えめに摂れば薬になりますが、過ぎれば毒です。アルコール量300~449g/週以上飲むと、脳卒中の発症リスクが上がります。

飲酒が増えても脳梗塞の発症率にあまり変化はありませんが、脳出血は飲酒量に比例して上がります。

例えば、脳出血の発症率は、時々飲む人と1日3合以上飲む人では約2倍になります。また、睡眠不足と飲酒が重なると出血性脳卒中の死亡リスクが高くなるというデータもあります。

 

高コレステロールをチェック

コレステロールは、特に悪玉と言われるLDLコレステロールが高いと、心臓につながる大血管の障害を引き起こします。

血管の壁にコレステロールがたまって動脈硬化を引き起こし、脳梗塞のリスクにつながります。

血圧・血糖値・コレステロールは、相互に関連しているため総合的に捉えましょう。若いうちからこれらの値が高ければ、血管障害の危険因子を体の中で蓄積していくことになります。

どれか一つの値が高ければ、それを適正な値に改善することも大切ですが、コレステロール値だけ下げても血圧が高ければ十分な予防効果が出ません。これらを全体的に管理することで、予防効果が得られるでしょう。

コレステロールを増やさないために、青背の魚を摂る、卵黄は1日1個、肉の脂身・即席めん・スナック菓子・甘いものを控え、野菜などの食物繊維は、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増加させるのでしっかり摂りましょう。

 

食事の塩分や脂肪を控え目にする

塩分の摂りすぎは、血圧上昇の要因にるので、塩分控えめを心がけてください。厚生労働省の基準では1日の目標量が男性8g、女性7gです。それより多くても10g/日を超えないように注意しましょう。

一方でカリウムを多く摂っている人のグループは20%近く発症リスクが低いです。つまり、食塩を控えつつ、カリウムを多く含む野菜やイモ類は、降圧作用、脂質代謝改善作用があるためと考えられます。またカルシウムを多く摂ることも大切です。

脂肪はコレステロール値、糖分は血糖値と関係しています。脂肪量全体の摂り過ぎに注意が必要で、特に肉やバターなどの動物性脂肪の摂取を減らしましょう。

代わりに、魚類(イワシ、サンマなど、動脈硬化抑制効果があるといわれるエイコサペンタイン酸を多く含む)、植物性のサラダ油、種子類(ゴマなど)がお勧めです。

「これを食べてはダメ」ということではなく、栄養素全体でバランスを考え摂取しましょう。

 

運動をする

運動不足は、高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満などの原因、あるいは悪化要因となります。1日30分程度のウオーキング、ジョギング、自転車、水泳などの有酸素運動を継続することが効果的です。

特にウォーキングは、「歩く」という日常の動作ですから、始めやすいでしょう。有酸素運動は、脂肪を燃やすことはもちろん、悪玉コレステロールを減らしたり、血液量が増えるため血管の弾力性を強化することにもつながります。

そして、活動と休息のバランスが取れた生活リズムを維持するよう工夫しましょう。

 

太りすぎに注意

太りすぎは、高血圧や糖尿病の要因になり得ます。間接的ではありますが、脳梗塞の危険因子です。

死因の3分の2をがんと動脈硬化が占め、その初期段階に肥満が大きく関わっています。また、動脈硬化につながる高血圧・糖尿病・高脂血症とこれらを引き起こす肥満は『死の四重奏』とよばれ、肥満は生活習慣病やさまざまな病気をもたらします。

日本肥満学会では、肥満〈BMI=体重kg÷身長m÷身長m=の数値が25以上〉で、肥満に関連する健康障害があり、医学的に減量が必要な病態を肥満症と定義しています。

ここでいう健康障害には、脳梗塞・高血圧・2型糖尿病・脂質代謝異常などが含まれます。

BMIが25未満でも、へそ周囲が男性85cm、女性90cm以上で、内臓脂肪の過剰な蓄積があると、健康障害のリスクが高くなるので、肥満症とみなされます。

 

脳卒中発症なら病院に直行

脳卒中が起こったら、「一刻も早く、専門医療機関を受診すること」に尽きるといってよいでしょう。<発症後3~6時間以内に初期治療を受けること> -これが鉄則です。初期治療によって、その後の悪化を防ぎ、劇的な効果も望めるようになってきたからです。

脳卒中というのは

だんだんと時間をかけて
脳の中で蝕まれて、最後発生に至るのか
それとも
ある日突然発生して
ある日突然倒れるものなんですか?(ヤフー知恵袋より引用)

 

【初期症状の段階】

1)呂律が回らない、食事中に箸を落とす

2)片目が見えない、視野が半分になる、顔の半分と片方の手足の感覚がおかしい、言葉が理解できない、言いたいことが言えない

3)半身に力が入らず歩きにくい、バランスが取れず上手く歩けない、頭が急に痛くなる、吐き気を伴う、意識もうろう、興奮し暴れる

4)グルグルひどいめまい、けいれん発作

 

症状は、百人百様ですが、判断のカギとなる症状は、突然バットで殴られたような激しい頭痛が生じた場合は、クモ膜下出血(脳の表面の血管が破れて出血する)が疑われます。

それ以外の脳卒中(脳梗塞、脳出血)で最も多い初発症状は、手足の力や感覚の異常です。

脳の右側が体の左半分、脳の左側が体の右半分の神経を支配しています。顔と手足といった離れた身体部分の、左右どちらか半分だけに運動や感覚の異常が急に出た場合には、まず脳卒中と考えて間違いありません。

相談者のAさん
相談者のAさん
覚えておきます。

 

脳卒中は増えている?

脳卒中のグラフ

脳卒中は、1980年ころまでは死因の第1位でしたが、2010年以降は死因の第4位になりました。それは近年の脳卒中の治療の急速な進歩によるもので、超高齢化が進むにつれて脳卒中になる人が増えています。

後遺症や要介護につながるケースも少なくなく、ひどい場合には「寝たきり」の原因となります。65歳以上で寝たきり状態の人は全国で約32万人ですが、脳卒中後遺症によるものがうち38%で原因別の第1位です。

 

そもそも脳卒中とは

「脳卒中」は一般的な言い方で、正式な医学用語では「脳血管疾患(障害)」と呼ばれ、脳の急激な血液循環障害による症状のことです。脳卒中には幾つかの種類がありますが、大きく分けると2つになります。

脳卒中とは脳の急激な血液循環障害による症状のことです。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

 

1)血管が詰まったり、狭くなったりして血流が悪くなる「脳梗塞(のうこうそく)」脳梗塞の分類:「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性梗塞」「心原性脳塞栓症

・ラクナ梗塞:高血圧などにより、細い穿通動脈が破れずに詰まることで起こる小さな脳梗塞

サイズが小さいので、症状も比較的軽いことが多いのです。日本人に多いタイプです。

・アテローム血栓性梗塞:糖尿病や高コレステロール血症により、大きな脳動脈の血管の内側にコレステロールの塊ができ、動脈を塞いでしまうため起こります。ラクナ梗塞より重症です。

・心原性脳塞栓症:心房細動(不整脈の一種)などによってできた心臓内の血栓(血のかたまり)が脳動脈に流れ込んで、これを閉塞してしまいます。ほかのタイプの脳梗塞に比べて起こり方が突然で、心臓にできた血栓は結構大きいことが多く、症状が重くなることが特徴です。

※日本では「脳梗塞」が脳卒中の3/4を占め、また脳卒中の死因の3/5を占めています。

 

2)脳の血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血

全く健康な人に起こることはまれで、たいていは何らかの病気を持っている人に起こります。例えば、高血圧が長く続くと脳の動脈は少しずつ傷んできて、最後には詰まるか、破れることになります。

 

脳卒中は増加している

脳卒中は、「がん」や「心臓病」以上に高齢者に多い病気です。現在わが国では、ものすごい勢いで高齢者の人口が増えています。

脳卒中の患者数は、約150万人といわれ、毎年25万人以上が新たに発症しているとされ、1965年ごろに比べ4~5倍にまで増えています。

高齢者の激増や糖尿病・高脂血症などの生活習慣病の増加により、2025年までには約300万人に増加する危険性もあります。

脳卒中の発症には、若い時からの生活習慣の積み重ねが大きく影響しています。ですから予防対策が徹底されれば、倍増を防ぎ更には今より減らすこともできます。

脳卒中の前触れ

脳卒中(くも膜下出血を除く)の症状は、半身の脱力や感覚異常など、身体の右半身か左半身の障害として現れるという原則があります。

それは大脳の右脳は身体の左半身、左脳は身体の右半身をコントロールしているからです。代表的な症状は、「片方の足が痺れる」「急に手足から力が抜ける」「片脚を引きずっている」「ものに躓きやすい」「フラフラして真っすぐに歩けない」「急にめまいがするようになった」「物が二重に見える」「言葉が出てこない」などです。

 

健康カウンセラー林さとみのワンポイントアドバイス

食事は栄養バランスを考えよく噛みましょう。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

食事は栄養バランスを考えよく噛みましょう。アルコールはワイングラスに1-2杯、煙草は百害あって一利なし。継続的な有酸素運動でBMIで21~25㎏/m2の間に。

睡眠不足も肥満を誘発しますので、毎日6~7時間を目指しましょう。これらを意識して太りすぎを防ぎ、脳卒中の危険因子を少なくしましょう。

脳卒中の予防法まとめ

生活習慣病と言われる、高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの予防が有効になります。野菜・海藻、赤みの肉・青背の魚、豆類・乳製品などをバランスよく食べ、発酵食品や酢・香辛料や香味野菜で味付けしカロリーを抑えましょう。それが太りすぎを防ぎ健康を維持できるでしょう。また喫煙は脳卒中だけでなくガンの罹患率も高くなり、万病の基となります。今日からでも禁煙しましょう。