ジョギングのエチケットでもマスクは危険?リスクと利点を徹底解説!

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ジョギングのエチケットととしてマスクやそれに代わるバフやネックゲイターの着用が常識になろうとしています。マスク着用のメリットや危険性や注意点についてお伝えしますので、気持ちよく走るためにお役立てくださいね。

ジョギング先生の林さとみと申します。ジョギングに関するお役立ち情報を紹介します!
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ
相談者のAさん
相談者のAさん
いろいろ教えてください。

ジョギングのエチケットでもマスクは危険?そのリスクとは

ジョギングのエチケットでもマスクは危険?そのリスクとは

相談者のAさん
相談者のAさん
ジョギング時にマスクを着用するリスクはありますか?
はい、いくつかのリスクを解説しますね。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

ジョギングでマスクを着用すると、ウイルスの飛散を防ぐことができます。ウイルスの飛沫は走っている人の後ろに置いていかれます。

ヨーロッパの研究チームや日本のスポーツドクターによると、前方の歩行者は、2mほど横に外れて追い越すこと、ジョガー同士は、前後10mほど間隔をとることで、ソーシャルディスタンスを維持できれば、屋外ではウィルスがすぐ乾燥してしまうので、飛沫感染を防げるとのことです。

しかし、飛沫感染防止のためのマスクは、呼吸がしにくいことで低酸素になること、熱がこもって熱中症になる可能性が高まるなどの危険性を伴っています。

マスクジョギングは呼吸が苦しい

身体を動かすためには十分な酸素の供給が必要になりますが、マスクが呼吸の妨げになり、取り込める酸素量が少なくなって低酸素になってしまいます。

スピードスケート日本代表のチームドクターなどを務めたことがある中村医師は、「走り始めたビギナーは、肺で酸素を取り込む能力(最大酸素摂取量)が低いので、脈や息が上がり、口呼吸で酸素を取り込んで、大きく口を開いて吐き出すようになり、咳をしている状態に近い」と述べています。 

ネックチューブであれば、口や鼻だけでなく首まで覆えるので、日焼け・防寒対策として効果があり、マスクと違って密閉するわけではないので、呼吸は苦しくなりにくいです。

熱中症のリスクがある

通常の呼吸は、冷たい外気を取り込むことで肺を冷やす効果があります。しかし、マスクをすることで、十分な酸素を取り込もうと、頑張って息を吸い込むため、呼吸筋の運動量が増え熱が発生し、また、吐き出した息によって、加湿・加温された状態になり、冷却効果が減少してしまうため、熱中症になる危険性が高くなります。

熱中症対策として、いつものよりスピードを落として運動強度を下げたり、ランニングリュックやポーチなどにペットボトルを携帯し、こまめな水分補給を心がけてください。

マスクの形に日焼けする

夜に走るときは気になりませんが、日中にジョギングをする場合は、天気が良いと日焼けが気になると思います。

特に日頃から日傘などで紫外線対策をしている女性は、マスクの形が残るのでは?と心配になるでしょう。

マスクをする場合でも、まんべんなく日焼け止めを塗り、特にマスク周辺は念入りに重ね塗りをし、日焼け止めが顔になじんでからマスクを着けることがマスク焼けを防ぐポイントです。

マスクでも紫外線の最高値UPF50+に対応した生地を使用しているものがあります。また、スポーツ用のネックチューブで吸汗速乾・吸湿性にすぐれた通気性の良いもので顔全体を覆って、日よけ対策として活用するもの良いでしょう。

マスクを着けてジョギングするメリット

マスクを着けてジョギングするメリット

相談者のAさん
相談者のAさん
マスクを着けてジョギングするメリットは、どんなことがありますか?
花粉や排気ガス対策など、いくつかのメリットがありますよ。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

ジョギングすることに慣れている人は、自然と鼻呼吸をしていますが、ビギナーの方は口呼吸をしている人が多いと思います。

鼻呼吸では、空気中に含まれる花粉や塵、小さな細菌やウィルスなど目に見えないモノを鼻の中の粘液層でキャッチして身体への侵入を防いでいます。

特に口呼吸をしている人は、マスクをつけることによって、花粉や黄砂、排気ガスの吸引予防にもなります。

また、普段より呼吸がしにくいため、頑張って息を吸い込もうとし呼吸筋が鍛えられる可能性があります。

排気ガス対策になる

排気ガスは、車の燃料であるガソリンや軽油が燃焼することによって生成され大気中に放出されていて、微量ながら粒子状物質が含まれています。

ジョギング中は、普段より呼吸量が増えるので、有害物質や塵など吸い込む量も多くなってしまいまが、マスクを使用することでそれらを吸い込むことを防ぐことができます。

本格的なマスクにはバルブが付いていて、一般的な不織布のマスクよりもフィルター機能が優れているので、それだけ防止効果も高くなります。

花粉症や黄砂対策になる

「花粉用マスク」は、約直径約30μm以上の粒子を防ぐことができ、「高性能マスク」は、直径約0.1μm以上の粒子を防ぐことができます。

花粉症の原因となる花粉は、季節問わず1年中、スギやヒノキ、イネやブタクサ、ヨモギやカナムグラなど季節問わず1年中飛散しています。

また、3~5月に飛来する黄砂にはPM2.5などの大気汚染物質が取り込まれていることもあります。

少し高価ですが、「高性能マスク」で口と鼻をしっかり多くことで、呼吸によって体内に花粉や黄砂を吸い込むこと防ぐことができます。

虫が口に入らない

口呼吸する人は、知らず知らずに口が開いてしまい、小さな虫などが風に乗って空気と一緒に吸い込んでしまうことがあります。

また、走り始めは鼻呼吸をしていても、少し疲れてくると口元が緩み、勝手に口が開いてくることもあります。

勿論鼻呼吸をしていても、タイミングが悪ければ鼻から小さな虫が呼吸とともに入ってくることもあります。そんな時、マスクをしていると、虫などの侵入を防ぐことができます。

喉の保湿維持

不織布のマスクを使用してジョギングをすれば、普段と同じ運動でも呼吸は速くなりますが、湿度が保たれるため、喉の潤いを維持できます。

特に冬は湿度が低いため、喉が乾燥して風邪を引きやすくなるので、マスクを使うことをお奨めします。大きめのスポーツマスクやネックゲイターなどは、防寒着にもなり、一石二鳥です。

但し、何もつけないで走るよりは、呼吸が苦しくなるため、ペースを上げ過ぎないよう注意して走りましょう。

心肺機能が鍛えられる

マスクを付けると、肺へ送られる空気の量が制限されてしまいます。そして同じ量の空気を得るために、肺が頑張って空気を吸い込もうとするため、肺と横隔膜などの呼吸筋を強化できる可能性があります。

マスクをしてジョギングを始めた頃は、直ぐに疲れて長い距離を走れないかもしれませんが、徐々に慣れていきます。

マスクをつけて走りつづけることで、空気を取り込む機能が改善され、マスクを外した時に以前より多くの空気(酸素)を供給でき、パフォーマンスアップが期待できます。

マスクを着けて走る時の注意点

マスクを着けて走る時の注意点

相談者のAさん
相談者のAさん
注意点を教えてください。
はい、いくつか紹介しますね。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

マスクを着けることで取り込める酸素量が少なくなるため、運動強度を低くすることが大切です。

また、表情が解らないため相手が不審に感じないよう、会釈や手を上げるなどボディーランゲージを心がけましょう。

また、マスクを着けて走ることにストレスを感じることがあるため、人がいない場所では外して気持ちよく走り気分をリフレッシュさせることも重要です。

いつもよりスローペースを心がける

マスクをつけると息がしにくくなり低酸素状態になるため、普段よりペースを落として走ることが大切です。

筑波大学大学院で健康政策を専門にする久野教授は、「マスクをつけて走ると低酸素状態になるため、アスリートが心肺機能の強化のため気圧の低い高地で行う強化合宿と似た状況と言える。マスクをつけていないときと同じ強度の運動を行わず、走るスピードを落とすなどの対策が必要だ」と訴えています。

挨拶・会釈を心がける

マスク、バフやネックゲーターは、顔の半分程度を隠すため、若干怪しく見えてしまうこともあります。歩行者に道を譲ってもらたたら、会釈や余裕があれば挨拶をするよう心がけましょう。

人を追い越す場合は、息が上がっていても深呼吸して穏やかな呼吸にするなど気遣いも必要です。

また、ジョガー同士でもすれ違う時や追い抜く際に、エチケットを守っている人を見かけたら、「good job(グッジョブ)」の意味を込めて、親指を立てて挨拶してみましょう。

人との会話が少なくなっている状況でも、少し工夫することで歩行者も自分も気持ちよく過ごせる環境を作れます。

マスク内の蒸れによる不快感

マスクで鼻と口で覆った状態でジョギングをすると、マスクの中に次第に湿り気が帯びてきて不快感を覚えます。また、走行中の振動でマスクがズレ落ち正しい位置に戻す煩わしさが伴ってきます。

鼻呼吸をすることでマスク内の水滴を少なくすることもできますが、お気に入りのアロマオイルをマスクの中と外に吹きかけることで、不快感が和らぐ可能性があります。

また、人通りがない時や自然の中でのジョギングでは、マスクを外して新鮮な空気を肺一杯に吸い込んでリフレッシュすることも大切です。

ジョギング先生のワンポイントアドバイス

歩いている人や周りの方への気遣いやエチケットを守ることが大切です。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

健康維持・運動不足やストレス解消のために外を走る人が増えてきましたが、歩いている人や周りの方への気遣いやエチケットを守ることが大切です。

走るときに、人がいる場所を通過する際には、「マスクを着ける」「ネックチューブやバンダナのような布で口と鼻を覆う」「呼気が激しくならないよう運動強度を落とす」など配慮することで、周りからも理解を得られるよう努めましょう。

【カテゴリー】この記事のカテゴリーはジョギングエチケットです。

まとめ

マスクを着けるメリット・デメリットがあります。新型コロナウイルス感染拡大防止の環境下では、普段よりゆっくり走り、スポーツ用のマスクやバフまたは、ネックゲイターなどを利用することで、歩行者・自転車など、周囲の人への思いやりを忘れずエチケットを守ってジョギングを楽しみましょう。