ジョギングで息切れする原因と対策!ペースとやり方に気を付けよう

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「ジョギングを始めたけど、すぐに息切れしてしまう」と悩んでませんか。この記事では、ズバリ、なぜ息切れするのか、どうしたら息切れせずに走れるのかをご紹介しています。是非、一度試してみてくださいね。

ジョギング先生の林さとみと申します。ジョギングに関するお役立ち情報を紹介します!
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ
相談者のAさん
相談者のAさん
いろいろ教えてください。

ジョギングで息切れする原因とは

ジョギングで息切れする原因とは

相談者のAさん
相談者のAさん
ジョギングしたらすぐに息切れしてしまいます。
息切れの原因を紹介します。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

運動経験の少ない人や運動から遠ざかっている人は、心肺機能が低下している可能性が高いです。また、ダイエット目的にジョギングを始める人は、運動不足のため、体力低下や筋肉量が減少してことがあります。

体重が重い場合、それだけで多くの酸素を必要とするため、お腹が動く「腹式呼吸」である「鼻で呼吸」することが大切です。

しかし、胸が動く「胸式呼吸」になる「口呼吸」の方が楽なため、呼吸が浅くなり、十分な酸素を取り込めなず、息切れを起こすことがあります。

心肺機能が鍛えられていない

「心肺機能」とは、酸素と二酸化炭素のガス交換を行う「肺」と、肺から取り込んだ酸素を含んだ血液を身体の隅々まで送り届け、糖質や脂質を燃やしてエネルギーを生み出し、炭酸ガスを回収する「心臓」の機能のことです。

このエネルギー源は、筋肉の細胞内にあるミトコンドリアで作られるATP(アデノシン三リン酸)です。

このATPを作る過程で酸素が必要ですが、十分な酸素の供給がなければエネルギーが不足することになります。無理やり酸素を取り込もうとするため、早く浅い呼吸になり、息切れを起こしてしまいます。

運動習慣のある人は、酸素を多く取り込むことができるため、血液の循環が良く、心肺機能が維持できている可能性があります。

一方、運動不足や運動から遠ざかっている人は、酸素を取り込む量が少なくなり、心肺機能が低下しているかもしれません。

ジョギングのペースが速い

運動不足の人や走り慣れてない人は、普段から走っている人と比べると心肺機能が低くなっている場合が多いです。

そのため、走り慣れている人と同じような速さで走ると、当たり前ですが、すぐに息切れを起こしてしまいます。

過去の運動経験や運動から離れている期間、現在の年齢や生活習慣などによって、心肺機能は異なってきます。

同じ時期にジョギングを始めた人同士で、同じペースで走っても、息切れする人と、安定して走れる人がいるのは、心肺機能に個人差があるからです。

息切れは、身体に必要な酸素を十分に供給できないときに起こるため、自分の能力以上のペースで走っている可能性が高いです。先ずは、楽に呼吸できるペースで走ることが大切です。

そもそも運動不足

普段から歩くとが少なく、階段でなくエレベーターやエスカレーターを利用している人は、運動不足になっている可能性が高いです。人は、持っている機能を使わないと、その機能が低下していきます。

「運動」とは「からだを動かすこと」で、「身体活動」の、体力維持・向上を目的として計画的に継続的に行う活動を指します。

例えば、散歩やヨガ、エアロビクスやジョギングなどがあります。掃除や買い物などの家事仕事である「生活活動」と区別して考えます。

運動不足は、体力・筋力・心肺機能などが低下するため、基礎代謝量の減少、生活習慣病の発症、血行不良による肩こりや冷え性の悪化などに繋がります。

太っている

生活習慣の改善や体重軽減のダイエットを目的に、ジョギングやランニングを始める人も多いでしょう。

普段の運動が不足して体重が重い人は、体力や心肺機能が低下している可能性が高く、太っていることが原因で体内に取り込める酸素量が少なくなり、走るとすぐに息切れを起こしてしまいます。

それは、体重が増加することで、腹部や胸部に脂肪組織が増えてしまい、吸気(息を吸う)ときに肺が拡張するスペースが狭くなり、肺活量が低下してしまうからです。

特に男性は、腹部に脂肪細胞を蓄えやすいため、女性より男性の方が心肺機能の低下が顕著な傾向にあります。

呼吸のリズムや呼吸法が悪い

腕を前後に振ってリズムよく走ることができると、自然とリズミカルな呼吸ができます。適正なスピードで走っているときは、余裕を持って走れるため鼻呼吸することが大切です。

走るペースが速いときは、できるだけ早く多くの酸素を取り込もうと口呼吸になり、息も乱れてしまいます。また、本来口呼吸は胸式呼吸になるため、多くの酸素を取り込むことが難しくなります。

できるだけ鼻呼吸を意識し、始めは「スースーハーハー」のリズムで、慣れてきたら「スースースーハーハーハー」と少し長めにし、呼吸のリズムで走るリズムを整えていくことが良いでしょう。

ジョギングで息切れしない対策

ジョギングで息切れしない対策

相談者のAさん
相談者のAさん
息切れしないためにどうすれば良いですか?
対策を紹介しますね。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

ジョギングで息切れする大きな原因は、走るペースが自分の体力とアンバランスな場合が多いです。

運動から遠ざかっていた人は、経験者と比べて心肺機能が低下している可能性が高いです。心肺機能が低下しているということは、身体に酸素を供給する能力が低くなっており、走ることで酸素不足を起こしてしまいます。心肺機能向上に合わせて、自分のレベルに合ったペースで走ることが大切です。

心肺機能のトレーニングをする

ジョギング中の息切れや、ペースを落としても呼吸が苦しくなる場合は、ウォーキングから始めることをお奨めします。

ウォーキングは、ジョギングの半分程度のエネルギーで行えるので、身体への負担が少いため、息切れが起こりにくく、かつ心肺機能を徐々に高めてくれる効果が期待できます。

運動から遠ざかっていた人や加齢に伴い体力が低下した人には、取り組みやすい運動になります。

ウォーキングは、人と話ができるペースで30分程度から始め、徐々にペースを速くして、3kmを30分程度で歩けることを目標に取り組みましょう。このペースで楽に歩けるようになったら、ジョギングに切り替えてみましょう。

マイペースなジョギングを心がける

ジョギングは、人と話をして苦しくないペースが、適正ペースです。また、ジョギングは有酸素運動なので、息が切れてしまうようなペース(無酸素運動)は、オーバーペースになっていると判断してください。

最初は10分/km程度で、20-30分走り続けて、呼吸が苦しくならなければ、8-9分/kmを目標にするとよいでしょう。

走り続けることで、徐々に心肺機能や筋力が向上するため、同じペースでも楽に走ることができます。楽に走ることができると、息が苦しくない程度までペースを上げていくことで、更に心肺機能が高まっていきます。

また、走ることは、歩くことの2倍のエネルギーを消費するため、ダイエット効果や健康促進が期待できます。

スロージョギングもアリ

スロージョギングは、ゆっくり走るため疲れないので、楽に続けることができます。運動は続けることで効果が期待できます。

ペースが分かりにくい人は、誰かに一緒に歩いてもらい、歩くスピードに合わせてジョギングすると良いでしょう。話をしながら走れるため、いつの間にか30-60分経過していることもあるでしょう。

スロージョギングは、走った合計時間が大切です。初心者は、20分程度で構いません。1分走って1分歩くを10回繰り返す(インターバルジョギング)でも、10分走って休憩を挟んで10分走っても効果は同じと言われています。

また、楽しく走れるスロージョギングは、ゆっくり走ることで、正しい姿勢を意識でき、怪我の防止にも繋がります。

ジョギングフォームを修正する

正しいジョギングフォームは、身体全体を使っているため、疲れにくく楽に走ることができます。身体の重心を意識することで、体幹の屈曲伸展(前後への曲げ伸ばし)・側屈(体側伸ばし)回旋など上半身を上手に使えるようになります。

身体の負担が少ない姿勢は、身体の重心の真下で脚を着地させることです。そのためには骨盤をやや前傾にする必要があります。骨盤が寝たままだと「へっぴり腰」になり、太ももの前(大腿四頭筋)がすぐに疲れてきます。

顔を上げ、目線は前方10-15mを見て、骨盤をやや前傾に保ち、お臍から前に引っ張られるイメージを持つことも良いでしょう。

しんどいまま走らない

「しんどい」と感じるペースは、体力以上のペースで走っている可能性が高いです。身体への負担が大きくなるため、スピードを緩めて走ることが大切です。

「しんどい」と感じる原因は、心肺機能が低いことだけでなく、筋肉の減少や筋力の低下、または、隠れ心不全(心筋梗塞や心筋症など)の可能性があります。

ペースを緩めてもしんどさが軽減されないときは、ゆっくり歩きましょう。ゆっくり歩きながら、大きく息を吸うことで、十分な酸素を取り込めるため、血流が良くなります。

また歩くことで、第二の心臓と言われるふくらはぎの筋肉が動くため、下半身の血液を心臓に戻すため、心臓の負担が軽くなります。

鼻呼吸も含める

ジョギングは、「人と話ができるペース」のため、腹式呼吸の「鼻呼吸」を身に付けるようにしましょう。

鼻呼吸は、口呼吸に比べて、取り込める酸素の量が増加し、鼻の粘膜によって細菌やウイルスが体内に侵入することを防いでくれます。

また、多くの酸素を取り込めることで、筋肉に十分な酸素が届けられるため、疲労物質である乳酸菌が減少し、心拍数も下がるという効果が期待できます。

呼気(息を吐く)と吸気(息を吸う)の両方を鼻ですることが難しい場合は、呼気を口をすぼめて、ゆっくりと長く吐くようにすると良いでしょう。(呼気は吸気の倍の時間をかけましょう)

こんな時は要注意

こんな時は要注意

気を付けて欲しいパターンを紹介します。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

ジョギング中や走り終わった後に、心臓が苦しかったり、胸の痛みがある場合は、先ずは安静にすることが大切です。特に寒い季節に準備運動不足だったり、口呼吸をすることが悪影響を及ぼすこともあります。

また、痰がからんだときは、マナーとしては吐き捨てることは避けたいものです。飲み込んで胃酸で細菌を洗浄することが、免疫の観点からも最適です。

心臓が苦しい

胸の奥が締め付けられるような痛みと圧迫感を感じる時は、狭心症の可能性があります。心臓の筋肉に供給される酸素が不足することで一時的に痛みを覚えますが、多くの場合、安静にしていると回復します。

また、無理な姿勢を取ることで発症する単なる筋肉痛の場合もあります。痛みの場所が特定でき、その上をたたくと更に痛みが増すときは、筋肉痛の可能性が高いです。

どちらの場合も、勝手な判断をせず、なるべく早く受診しましょう。

後で肺が痛い

寒い季節には、ジョギングで体温が上昇した後、冷たい空気を吸うと、外気温と体熱の温度差で、肺とその周囲の筋肉が冷え込み、収縮する際に痛みが出る場合があります。

鼻で息を吸うことで温められた空気が肺に入り、刺激が緩和されます。また、水分を摂ることで呼吸が整い、痛みが和らぎます。

喫煙者の場合は、気管支や肺胞に炎症が起きることで、肺の痛みを感じやすいです。最終的には、肺胞が破壊され呼吸機能が低下し、呼吸不全になる可能性があります。運動する前後は、特に喫煙を控えた方が身体の負担が少なくなります。

痰がからむ

痰がからむのは、喉の粘膜に細菌やウィルスが付着したことで、喉の免疫機能が働き、細菌の死骸などが粘性のある液体になったからです。

その痰を吐き出した場合は、水分を身体から失うことになり、喉が乾燥してしまい、余計に感染のリスクが高まることに繋がります。

痰を飲み込んだ場合は、酸性の胃液で細菌が殺されるため、免疫の観点から見ると最適です。痰を飲み込むことに抵抗感がある人も、喉の乾燥を防ぎ、細菌の洗浄効果が期待できるため、チャレンジしてみてください。

心あたりがあるから気を付けよう。
相談者のAさん
相談者のAさん

ジョギング先生のワンポイントアドバイス

シチュエーションごとに対策はことなります。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

ジョギングのペースを落としても息切れする場合は、基礎体力や心肺機能を強くするためにウォーキングから始めましょう。

また、加齢による筋力の低下は、食べ物で補うことも重要です。普段からタンパク質をしっかりと摂取することを心がけましょう。

ダイエットのために極端に炭水化物を制限する人もいますが、筋肉のタンパク質がエネルギーとして使われてしまうため、筋肉量が減少する可能性があります。バランスの良い食事で身体作りをサポートしていきましょう。

【カテゴリー】この記事のカテゴリーはジョギングペースとやり方です。

まとめ

走るときに息切れすると、気分的にもしんどく長続きしにくくなります。息切れすることは、ペースが体力以上になっているため、ペースを落として走ることが大切です。

周りと合わせようとせず、自分のペースで楽に走ることを心がけ、続けることで徐々に心肺機能が向上していきます。