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ジョギングとウォーキングの違いを解説します。ダイエットしたいけど、しんどい運動は続けることが難しいですよね。この記事では、ジョギングとウォーキングで、どのような方法や効果があるのかご紹介しています。是非、ダイエットを成功させるために試してみてくださいね。
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ジョギングとウォーキングの違い
一番大きな違いは、ジョギングは、「走る」動作のため、両足とも地面と接していない瞬間があります。
また、片脚着地での着地点は、身体の真下になります。ウォーキングは、「歩く」動作のため、片足どちらかが必ず地面と接しているため、着地点は身体より前になります。
運動する時間が同じ場合、ジョギングはウォーキングの約2倍の運動量となります。
まずは共通点からご紹介
ジョギングとウォーキングは、どちらも「有酸素運動」です。有酸素運動は、主に酸素を利用し、体内の脂肪や糖質を燃焼させることによって、必要なエネルギー産生する運動です。
真っすぐ前を向いて、背筋を伸ばし、肘から腕を振る基本姿勢は同じです。ウォーキングでも、骨盤が寝る(腰が落ちた状態)では、股関節を使いずらいため、足を前に踏み出しにくくなります。
「歩く」または「走る」動作は、基本的に上下運動をを小さくし前進する力と、股関節が回転する力の両方が必要です。
ジョギングとウォーキングと違う部分
主な違う部分は、着地点や着地法、運動強度などです。
ジョギングの着地点は、身体の真下。ウォーキングは、身体より前。ジョギングの着地法は、足裏全体かフォアフット(足の指の付け根あたり)着地、ウォーキングは、踵(かかと)着地です。また、ジョギングは、「跳ねる」動作が伴うため、膝への負担がウォーキングより3倍程度強くなります。
ジョギングは、「走る」動きのため、ウィーキング=「歩く」動きより約2倍の運動強度になります。運動強度の指標であるメッツ(METs)は、ジョギングは7.0メッツ(約8km/時間)、ウォーキングは、3.5メッツ(ほどほどの速さ:毎分75-85m=約12分/km)です。
ウォーキングの運動強度は低いので、長く続けやすい運動といえます。一方、ジョギングは、ある程度の強度があるため、長く続けられるかは、個人の体力によるところが大きいです。
消費カロリーの違い
ズバリ、消費カロリーは、下記のように計算できます。
消費カロリー(kcal) = 1.05(kcal/kg/h) x 体重(kg) x メッツ値 x 運動時間(h)
体重 = 50kg、1時間ジョギング=368kcal、1時間ウォーキング=184kcal
ジョギングの運動強度は「7メッツ」:1.05 x 50kg x 7メッツ x 1(h) =368 kcal
ウォーキングの運動強度=「3.5メッツ」:1.05 x 50kg x 3.5メッツ x 1(h) =184kcal
ジョギングとウォーキングと同じ時間行った場合、ジョギングの方が、2倍の消費カロリーとなります。
よって、ジョギングを0.5時間行った場合と、ウォーキングを1時間行った時が、同じ消費カロリーになります。効率よくカロリー消費できるのは、ジョギングと言うことになります。
健康への影響の違い
ジョギングでもウォーキングでも速さにより運動強度が変わります。中強度の運動の場合、どちらも健康への影響は同じです。
中程度の運動強度は、最大酸素摂取量の50%と言われています。運動強度は、人によって違うため、心拍数を参考にするのが簡単です。「カルボーネン法」という心拍数を求める計算方法が一般的になってきています。
中強度の運動時心拍数 = (最大心拍数 – 安静時心拍数) x 運動強度 + 安静時心拍数
50歳で安静時心拍数が70拍/分の人の運動強度50%は、120拍/分になります。
(170-70)50% + 70 = 120拍/分
※最大心拍数:220(定数) – 年齢(50歳)
また、一般の人であれば、中強度の運動が、脂肪の燃焼率が良いとされています。
ダイエットに効果的なのはどっち?素朴な疑問をご紹介
ジョギングとウォーキングは、どちらも有酸素運動で身体全体を使うため、継続することで脂肪が燃焼していきます。
ゆっくりペースのジョギングでも、ウォーキングと比べると約2倍のエネルギーを消費します。
また、ゆっくりペースのウォーキングでは運動効果が期待しにくいため、ダイエットを目的とする場合は、姿勢や速さを意識していくことが必要です。
自分の体力に合わせて、継続できる運動を取り入れていくことが大切です。
脚やせにおすすめなのはどっち?
ジョギングやウォーキングは、有酸素運動であり全身運動のため、継続することで脂肪が燃焼される可能性が高くなります。運動することで、身体全体が締まり「脚やせ」に繋がっていきます。
また、脚の筋肉には、速筋(瞬発力)と遅筋(持久力)があります。有酸素運動では、遅筋を中心に使うため、脚が極端に太くなることはありません。
運動不足や冷え性などでむくんで脚が太くなっている場合は、ジョギングやウォーキングすることで、血流が良くなりるため、身体の余分な水分を排泄し、むくみを解消できます。
強度が強くない運動は、短期間で成果が出にくいため、続けることが大切になってきます。運動習慣のない人は、走るより歩く方が簡単と感じやすいでしょう。
そういう方には、普段の生活にも取り入れることができ、継続しやすいウォーキングをお奨めします。
毎日するならどちらが効果的?
ダイエットのための運動量は、中強度の運動を1日30分、週に5日以上、一週間当たり150分以上が目安とされています。
10分x3回でも15分x2回でも脂肪燃焼効果は得られます。また、時間があるときは、脂肪が最も燃焼されやすい時間は20分以上とされているため、30-60分連続することで脂肪燃焼効果がより高くなります。
毎日ジョギングする時間が取れない人は、通勤や買い物など日常生活に「意識して速く歩く」ようにし、運動することを習慣化していきましょう。
歩くときは、頭から紐でつるされているイメージ(きつめのジーンズのジッパーをあげる時のお腹の凹ませ方)を持つことで、正しい姿勢を保つことができます。
ジョギングとウォーキングを交互にするのはあり?
ジョギングもウォーキングも全身運動のため、身体全体の筋肉を使います。ジョギングは、「跳ぶ」動作になるため、ウォーキングよりも使われる筋肉が多くなります。
ウォーキングの場合:太腿の前(大腿四頭筋)、脚の付け根の前(腸腰筋)、すねの筋肉(前脛骨筋)、ヒラメ筋、お尻(大臀筋・中臀筋)、背筋(脊柱起立筋)、腹筋(腹直筋)など
ジョギングの場合:太腿の前(大腿四頭筋)、太腿の後ろ(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)、股関節周り(大腰筋)、お尻(大臀筋・中臀筋)、背筋(広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋)、腹筋(大腰筋・腹直筋・腹斜筋)、腕(上腕三頭筋)など
正しい姿勢でウォーキングすることで、徐々にバランス良く筋力向上が期待できます。それにより、ジョギングが楽にできるようになっていきます。
正しい姿勢は、目線は前方10-20m先、背筋を伸ばす、肘を曲げ腕を肩甲骨から後ろに引くイメージで振る、脚はお尻から動かす意識で実現できるでしょう。は
ウォーキングとジョギングの組み合わせ法とは?
運動する習慣のない方は、ウォーキングの間にジョギングを入れることから始めると良いでしょう。
歩く速度くらいのジョギングは、足や膝に負担をかけずに、筋力や持久力の向上が期待できます。運動強度が高くないため、気分も楽に続けることができるでしょう。
普段歩いているときに、短いジョギングをすることで、「跳ぶこと」を習慣にしていく工夫も大切です。
また、「3分ウォーキング⇒3分ジョギング」を繰り返しすことで、徐々に筋力が養われるため、ジョギングの時間を長くしたり、繰り返しを多くすることで運動強度を高めていくことができます。
スロージョギングという方法もある
スロージョギングとは、「隣に人と話ができる程度の速さ」です。また、筋肉が疲労することで発生する乳酸が出ない程度の運動強度のため、楽に走り続けることができます。
「走る」動作のため、運動強度はウォーキングより高く、徐々に筋力がついてきます。そのため、乳酸が溜まらないギリギリの速度=「乳酸閾値」を向上させることも可能です。
ゆっくりとしたスピードのため、前傾姿勢、かつ足の着地は重心の下という走り方を意識することができ、ふくらはぎなどの膝から下の筋肉の負担が少なくなります。
スロージョギングのおすすめ時間
お奨めは、「夜の時間帯」です。理想は夕食前30-60分程度走ることです。空腹な状態のため、脂肪が燃焼されやすいタイミングです。
無理な場合は、質の良い睡眠でダイエット効果を高めるため、夕食1時間以上後から寝る1時間前には終えるようにしましょう。
夜は自律神経の副交感神経が優位になる時間帯ですが、スロージョギングはゆっくりとしたスピードのため、自律神経が整えられていきます。
軽い運動により、毛細血管が開き血流が良くなるため、疲労やストレス解消が促進されます。また、身体の負担が少ない運動は、食欲を抑えるペプチドYYというホルモンが分泌されるため、夜の間食が減ることに繋がります。
夜に走ることで、外食の頻度が少なくなるため、ダイエットを目標にされる方には、特にお奨めです。
スロージョギングの目安消費カロリー
スロージョギングは、「人と話ができる速さ」とされており、体力の違いにより個人差があります。運動習慣のない人や運動不足の人は、筋力不足や心肺機能が低下している可能性があります。
9分/km程度のスロージョギングの運動強度は、約6メッツ
体重50kgの人が30分走った場合:157.5kcal(約缶ビール1本)
15分/kmのウォーキングの運動強度は、約3.0メッツ
体重50kgの人が30分歩いた場合:78.75kcal (小さい茶碗に軽く半分のご飯)
歩幅を小さくし、足の指の付け根あたり(フォアフット)での着地で走ることが重要です。軽く地面を押さえ、地面からの反発力を利用することで、足への負担が少なく走ることができます。
ジョギング先生のワンポイントアドバイス
ダイエット効果を目的とする運動は、継続が一番大切です。自分で続けられる運動を見つけ、徐々に運動の強さや時間を増やし、筋力や心肺機能を向上させていきましょう。
また、ダイエットのため、炭水化物(糖質)を極端に減らす人がいますが、糖質が不足すると筋肉の材料となるタンパク質が使われてしまい逆効果です。
糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルなどバランス良く摂取することで、健康的にダイエットを成功させましょう。
【カテゴリー】この記事のカテゴリーはジョギングより手軽なウォーキングのやり方です。
まとめ
有酸素運動のジョギングやウォーキングは、身体全体を動かす運動です。ジョギングの方が運動強度が強いため、効率的にエネルギーを消費し筋力向上が期待できます。
運動経験の少ない人は、ウォーキングから始め、徐々にジョギングを取り入れ、運動強度を高めていくことで、筋力が向上し基礎代謝量が増えるため、身体全体が締まってきます。
健康運動実践指導者・健康管理士一般指導員の勉強を通じて、健康について運動・食べ物・メンタルなど多くの知識を身に付けています。
知識を知恵に換え実践することで、今でも体力年齢は20歳代をキープし、「華麗に加齢」を目指しています。 2019年3月から、一般社団法人日本ランニングファシリテータ協会認定コーチとして、イオンモールで朝活ランニングの指導をするなど、走る楽しさを伝えています。