ジョギングで筋肉痛になりやすい部位は?ペースやり方で予防・回復!

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ジョギングを始めたら、太ももやふくらはぎが筋肉痛で困ったという人はいませんか?この記事では、走ったらどの部位が痛くなるのか、予防法や回復のポイントをご紹介しています。3日坊主にならないためにも是非参考にしてくださいね。

ジョギング先生の林さとみと申します。ジョギングに関するお役立ち情報を紹介します!
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ
相談者のAさん
相談者のAさん
いろいろ教えてください。

ジョギングで筋肉痛になりやすい部位

ジョギングで筋肉痛になりやすい部位

相談者のAさん
相談者のAさん
ジョギングの筋肉痛は、なりやすい部位などがあるのですか?
そうですね。人にもよりますが、なりやすいところがありますよね。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

ジョギングは主に下半身を使いますが、身体全体を使う全身運動です。下肢で筋肉痛になりやすい部位は、太もものおもて側(前)・うら側(後)、ふくらはぎ・すね(脛)です。体幹部ではお尻や股関節、腹筋・背中などになります。

現段階で筋肉痛になるメカニズムは、筋肉に一定以上の負荷がかかったときに筋肉を構成する筋繊維が損傷し、修復する過程で筋肉に炎症が起こり、刺激物質が生成されることにより痛みを覚えると言われています。

よって、筋力が不足している人ほど起こりやすくなってしまいます。

 

太もものおもて側

太もものおもて側(前側)は「大腿四頭筋」と呼ばれ、大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の4つからなる身体で最も大きな筋肉です。

この筋肉は膝関節伸展(膝を伸ばすこと)と股関節屈曲(太ももを腹部側に引き上げること)の役割があり、地面着地時の衝撃を吸収し、膝が崩れないように脚の動きを支えてくれます。

下り坂では地面着地時の衝撃が強くなりやすく負荷が大きくなるため、筋肉痛になる可能性が高くなります。

また、骨盤が寝た姿勢(猫背気味)で走ると、脚を引き上げるときに太もものおもて側の負担が大きくなります。太もものおもて側が筋肉痛になるときは、骨盤が少し前傾で立っているか、身体の真下で着地できているかなど正しいフォームで走れているか確認することが大切です。

 

太もものうら側

太もものうら側にある筋肉は「ハムストリングス」と呼ばれ、別名「アクセル筋」や「ランナー筋」と言われるほど、ジョギングやランニングなど走る運動には重要な役割を担う筋肉です。

ハムストリングスは、膝を曲げたり地面を蹴りだすときに使われます。単純に筋肉不足が原因で痛みが発生することが多いのです。

また、太もものうら側はお尻の筋肉(大臀筋・中臀筋)と連動しているため、お尻の筋力不足が原因の時もあります。

どちらの場合も、しっかりと蹴りだしている証拠でもあるので、継続的な運動で徐々に筋肉が増えていくことで解消できる可能性が高まります。

一流アスリートでも肉離れなどケガをしやすい部位のため、運動前後にしっかりとストレッチすることをおすすめします。

 

ふくらはぎ

ふくらはぎの筋肉は、「下肢三頭筋」と呼ばれ、腓腹筋(外側頭・内側頭)とヒラメ筋に分けられます。腓腹筋は、膝関節を動かすときやつま先を上げる際に使われます。ヒラメ筋は、足首を上下させる(足の側屈)ときに使用される筋肉です。

ジョギングやランイニングなど走るときは、足のつま先の上げ下げを欠かすことができないため、ふくらはぎが筋肉痛になりやすいです。

特にかかと着地(ヒールストライク走法)になってしまう人は、ふくらはぎや膝に負担がかかることが多いので、ミッドフット(中足部)走法かフォアフット(前足部)走法ができているかフォームの確認をしてみましょう。

また、足首をケガしやすい人は、ヒラメ筋が不足している可能性があるため、走る以外に筋トレで鍛えることでケガ防止に役立ちます。

ヒトは2足歩行になったため、身体の血液の約70%が下肢に集まります。この集まった血液を心臓に戻す役割がふくらはぎの筋肉群のため、「第二の心臓」と言われます。

 

腹筋

腹筋群には、腹直筋・(外・内)腹斜筋があり、体幹の動きに重要な筋肉群です。ジョギングは全身運動で体幹部分に属する腹筋は、身体の前屈(前かがみ)・回旋時に使われます。

ある程度長い距離や時間を走るときに正しいフォームを維持するには、身体を支えるために背筋と同じように腹筋が必要になってきます。

腹筋に痛みを感じる人は、腹直筋や腹斜筋の筋力不足の可能性が高いです。初心者は正しい姿勢を意識して走るだけでも少しずつ腹筋群が鍛えられていきます。骨盤を立てて少し前傾したときにお臍を凹ませるようにすると腹直筋が鍛えられます。

 

おしり

お尻の筋肉は大臀筋・中臀筋・小臀筋に分かれます。大臀筋は脚を後ろに動かすときに利用される筋肉でハムストリングスと連動しています。中臀筋はお尻の外側にある筋肉で股関節を動かすときに必要です。

お尻が筋肉痛になる人は、大臀筋とハムストリングスの筋肉が不足しているケースが多いです。また、骨盤が歪んでいることによりお尻が痛くなることがあります。その場合はお尻だけでなく他の部位に負担がかかっている可能性が高くなります。

頭から吊られているイメージで背筋を伸ばし、骨盤を少し前傾(立てる)することで骨盤が安定してきます。正しいフォームを意識することが痛み予防に繋がります。

 

背中

背中には長背筋群と呼ばれる脊柱起立筋・多裂筋・回旋筋などの筋肉が脊柱沿いあります。体幹を伸展(後ろの反らす)・回旋(回す)させるときや姿勢を維持する役割を担っています。

ジョギングは下半身の筋肉を中心に使いますが、全身運動のため、身体を支える背骨がある背中には大きな負担がかかってしまいます。走るときは背筋を伸ばすことや骨盤をやや前傾に維持するなど背中や腰の筋肉を常に使っています。

背中が筋肉痛になる人は、背中の筋力不足の場合が多いです。現状の筋力以上の負荷をかけてしまうことで痛めてしまいます。

筋トレなどで鍛えることも効果的ですが、ゆっくりとしたペースで徐々に時間や距離を伸ばすことで自然と筋力がついてきます。走る前にストレッチで背中や肩甲骨周りの筋肉をほぐすことで身体を温めてから走ることが大切です。

 

股関節

股関節は骨盤と大腿骨を繋ぐ身体で最も大きな関節です。股関節の前面には腸腰筋群と呼ばれるインナーマッスルが広がり、大腰筋・小腰筋・腸骨筋に分かれて股関節の屈曲(太ももが身体に近づく動き)と骨盤を維持する役割があります。

股関節周りが痛む主な原因は、腸腰筋群や股関節につながる大腿四頭筋・内もも(内転筋)・お尻(大臀筋)の筋肉が硬直することで、関節と筋肉の接合部分が硬直した筋肉に引っ張られ負担がかかり過ぎるためです。

股関節痛になりやすい人は、

  1. 左右の脚の筋肉バランスが違う→大腿四頭筋周辺に痛み
  2. 左右の脚にかかる負荷が違う→内転筋周辺に痛み
  3. ジョギングフォームが悪い(猫背気味)→お尻周辺に痛み
  4. 股関節周りの軟骨がすり減っている

などの原因が考えられます。

痛みを感じる場所で原因が異なる可能性があるため、股関節のどの部分が痛いのか意識することが重要になります。

痛みの程度にもよりますが、運動を中止すると緊張した筋肉がドンドン硬くなる可能性があります。ゆっくりとしたペースで短い時間走ったり、ストレッチを増やすなどして身体を動かすことで痛みが改善されることがあります。ストレッチは関節や筋肉の可動域を広げるため、回復を助けることが期待できます。

 

すね

すねには前脛骨筋があり、ふくらはぎと同じように足首の底屈(つま先を足裏の方に曲げる)や背屈(つま先を足の甲の方に曲げる)する役割を持っています。

すねの筋肉痛は「シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)」と言われ、別名「初心者病」と呼ばれる、ジョギングやランニングの初心者がなりやすい筋肉痛です。

初心者は筋力不足が原因であることが多く、疲労が蓄積し筋肉が硬くなり、着地時の衝撃吸収が上手くできなくなることで痛みがでます。

経験者でもオーバーワーク(使い過ぎ)や硬い路面を長時間走るなど下腿に負担がかかり過ぎることでシンスプリントを起こしてしまいます。

自分の現状より運動強度が強くなり過ぎることが原因になることが多いため、筋肉痛になれば強度を低くするか休養を取ることが大切です。

継続的に走り続けることで、すねの周りの筋肉が鍛えられるため筋肉痛になることが減少していきます。

 

筋肉痛を予防するペースや走り方

筋肉痛を予防するペースや走り方

相談者のAさん
相談者のAさん
筋肉痛の予防に配慮した走り方を教えて下さい。
はい、ペース配分も含めて解説します。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

筋肉痛は一定以上の負荷がかかったときに起こると言われています。普段より速いペースで走ったり、長い距離を走るなど、いつもより運動強度が高いと筋肉痛になりやすいです。

また、通常のペースでも走るフォームが悪かったり、地面がいつもより硬い場合も身体への負担が大きくなり筋肉痛を起こしてしまいます。

運動中の水分補給が十分であると血流が良くなるため熱中症予防だけでなく筋肉痛予防にもなります。

 

ストレッチを行う

ジョギングの前後のストレッチは必須ですが、普段から身体をほぐす習慣を身につけることで動きやすい状態に変化していきます。

ストレッチは身体が温まっている時に行うことで筋肉や腱の可動域が広げられます。ストレッチをする時間や身体の状態によって、やり方が異なります。

デスクワークの多い人は猫背気味になり巻き肩になってしまいます。トイレに立った時など、肩(三角筋)や肩甲骨周り(広背筋)などをほぐすことで血流が良くなり、筋肉の凝りが軽減されるため、腕の振りが改善されます。身体が温まってないときは軽く弾みをつけることで、筋肉や腱を痛めずに行えます。

お風呂上りなど身体が温まっているときに股関節周りや太ももの前や後ろをゆっくり伸ばすことで筋肉や腱が柔らかくなり運動時のケガ防止に繋がります。

 

ウォームアップをする

ジョギングの前には必ずウォーミングアップを行い筋肉や腱を温めることでケガ防止に繋がります。30分の運動時間では5分前後行うと良いでしょう。

始めに軽く弾みをつけたストレッチ(動的ストレッチ)を行います。身体が温まる前にゆっくりと伸ばすストレッチ(静的ストレッチ)をしてしまうと筋肉や腱を痛めてしまうことになるので注意しましょう。

ストレッチは、手先・足先から腕・脚、体幹へと順番に動かすことで体温が上昇し、筋肉や腱の柔軟性が高まっていきます。身体を動かすことで、心拍数を適度に上げることができため、走り出しの呼吸が楽になります。

また、徐々に体を動かすことでその日の体調を把握することができるため、不調を感じたらメニューを軽くしたり、中止するなど対処が可能になります。

ストレッチで筋肉や腱を温めた後は、筋トレで下半身に軽い刺激を入れことでパフォーマンスが向上し取り込む酸素量が増えるため、運動強度を高めることが可能になってきます。

 

クールダウンをする

ジョギングの後、急に運動を止めると脚などの筋肉から心臓に血液が戻りにくくなってしまいます。血流が悪くなることによって、疲労物質や老廃物が排泄されにくくなり、また酸素や栄養素が十分に供給されないため、筋肉の回復が遅れる原因になります。

走った後は、ストレッチやマッサージで血流を良くすること、徐々に心拍数を落とすことが大切です。

運動後は筋肉や腱が温まっているため、ゆっくりと伸ばすストレッチ(静的ストレッチ)で硬くなった筋肉をほぐし血行を良くすることで筋肉痛予防に繋がります。ウォームアップと同じように30分の運動時間の場合5分前後行いましょう。

特にふくらはぎは「第二の心臓」と言われるように、足元から心臓に血液を戻す重要なポンプの役割をしています。

ストレッチの後は足首から心臓方向にマッサージをすることで、更に血行が良くなるため、毛細血管への酸素や栄養素の供給促進、疲労物質や老廃物の排出促進が期待できます。

 

しっかり水分を補給する

運動によって汗をかくと、体内の水分量が不足し、血液がドロドロになってしまいます。それにより血流が悪くなると傷ついた筋肉に十分な酸素や栄養素が届かなくなるため筋肉痛が起こりやすくなります。

また、水分不足は筋肉を動かす機能を低下させるため、ジョギング中だけでなくジョギングの前後にもしっかりと水分を摂ることが大切です。十分な水分が補給されると血行が維持されるため筋肉予防になります。

水分補給のタイミングは運動前30分、運動中は20-30分毎、運動後は適宜とし、常温か少し冷たいくらいの温度の水分をこまめに摂ることをおすすめします。

5-15℃の水分は身体の深層部の体温上昇を抑えてくれます。1度に吸収される水分量は200ml程度と言われているため、一気に飲んでも吸収されず、逆に腹痛の原因になるかもしれません。

また、水分はお水でも良いですが、汗と一緒に塩分やミネラル分が失われています。天然塩0.2%の食塩水やスポーツドリンクを薄めて飲むと良いでしょう。

 

筋肉痛になってしまったら?その回復方法とは

筋肉痛になってしまったら?その回復方法とは

相談者のAさん
相談者のAさん
筋肉痛になってしまったら、どうすれば良いですか?
回復方法をお伝えしますね。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

筋肉痛になったときに熱があれば先ずは冷やしましょう。熱がなければストレッチで血液の流れを良くすると新陳代謝が促され回復が早くなります。

また、温冷交互浴のように、冷やすことと温めることを交互にすることで、血流が改善され、老廃物や疲労物質が体外に排出されるため筋肉痛が和らいできます。

また、スロージョギングなどの軽い運動は血行を高める為、痛みがなければ実施してみてください。

 

ストレッチを行う

お風呂上りなど身体が温まっているときは、ゆっくりと身体を伸ばすストレッチ(静的ストレッチ)を行うことで硬くなった筋肉がほぐれていきます。

走るときに主に使う太もも・ふくらはぎ・お尻などの大きな筋肉を柔らかくすることで、筋肉に溜まった疲労物質や老廃物を排出し、酸素や栄養素を供給できるため、疲労回復が促されます。

筋肉痛を感じる部位のストレッチは大切ですが、身体は全身繋がっているため、身体全体をほぐすことをおすすめします。

骨盤周りや膝の裏・足首など、肩甲骨周りや腰回りなどをゆっくりと息を吐きながら行うことでより筋肉が緩められます。

筋肉痛が酷いときは、ストレッチをして血行を良くすることで悪化させてしまう可能性があるため、安静にして様子を見るようにしましょう。

 

冷やす

運動後に筋肉が熱を持っている場合は冷やすことが大切です。

冷やすことで

  1. 患部の皮膚温度の低下
  2. 炎症を促進する物質の分泌を抑制る
  3. 痛みの感覚が麻痺し減少する

などの効果が期待できます。

冷やすときは、1回15-20分を目安に氷嚢やアイスバッグで患部にしっかり密着させることで、神経が麻痺してくるため、痛みを感じにくくなります。これを1時間おき程度で繰り返し、熱が引いたら血行を良くするために温めることが必要です。

冷やし過ぎると血液の流れが悪くなるため、酸素や栄養素が毛細血管まで行きわたらなくなり、回復が遅れる可能性があります。冷やすことは運動後24時間以内にしましょう。

 

温める

筋肉痛の部位の熱がなくなったら温めることが大切です。シャワーでなくぬるめのお湯(38-40℃)で15-20分湯船につかると身体の芯から温めることができます。

身体の内側から温められるため血流が良くなり、酸素や必要な栄養素が毛細血管まで行きわたります。血行が良くなると疲労物質や老廃物が回収されるため、新陳代謝が促進され筋肉痛の回復が早くなります。

血行促進に効果的な「温冷交互浴」があります。自宅で簡単にできる方法は、[湯船に3分程度浸かる→シャワーで足元から1分程度水かぬるま湯を掛ける]を3-5回繰り返します。全身の血液の巡りがよりよくなるため、筋肉痛の改善が期待できます。

極端な温度差はありませんが、心臓や血管に疾患のある方は医師に確認後お試しください。

 

ジョギング先生のワンポイントアドバイス

筋肉痛になった場合は食事や睡眠時間を意識することも大切です。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

筋肉痛になった場合は食事や睡眠時間を意識することも大切です。筋肉の主な構成物質であるタンパク質、疲労回復に効果があるビタミンB1、血行を良くするビタミンCやEなどを積極的に摂りましょう。

睡眠中は成長ホルモンが分泌され筋肉の回復を助けてくれるため7時間程度の睡眠時間を確保し十分身体を休めてあげましょう。

【カテゴリー】この記事のカテゴリーはジョギングペースとやり方です。

まとめ

筋肉痛は過度の負担を与えることで筋繊維がダメージを負いますが、筋肉の修復を行われている証拠でもあります。運動をしていると誰もが筋肉痛を経験しています。筋肉痛にならないように普段から身体をほぐしたり鍛えるようにしましょう。また筋肉痛になったら適切な対応で回復に努めましょう。