ジョギングに最適な気温とは?気を付けたいペースとやり方

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ジョギングに最適な気温を解説します。気温が高いときにすぐにしんどくなってしまう経験はありませんか?実は心拍数や血圧など身体に影響を及ぼします。この記事では、どのような対策が必要かご紹介しています。是非季節に応じた走り方に活かしてくださいね。


ジョギング先生の林さとみと申します。ジョギングに関するお役立ち情報を紹介します!
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ
相談者のAさん
相談者のAさん
いろいろ教えてください。

 

気温が高い夏のジョギングは熱中症に注意

気温が高い夏のジョギングは熱中症に注意

相談者のAさん
相談者のAさん
暑い時のジョギングは厳しいですね。
そうですね。熱中症に気をつけないといけません。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

夏のジョギング前には気温がどのくらいなのか確認することが必要です。環境省が気温別に熱中症予防運動指針を定めています。

熱中症の予防には、ウェアやサングラスや帽子などの対策も大切ですが、水分補給が最も重要です。走る30分前に200ml程度の水分を摂り、運動中は小まめに補給することが大切です。

運動中は体重の2%の水分を失うと運動機能が低下し始めると言われています。それ以降1%毎に著しく機能が低下してしまい、体重の5%を失ってしまうと脱水症状と診断されます。

 

24~28℃は注意

熱中症予防に使われる「暑さ指数」(WBGT=Wet Bulb Globe Temperature)という指標があります。暑さ指数は「湿度」「日射・輻射などの周辺の熱環境」「気温」を取り入れた数値で、概ね気温のマイナス3-4℃となります。

気温24~28℃は、暑さ指数=21-25℃(気温と同じ「℃」で表します)で、熱中症による死亡事故が発生する可能性がでてきます。

走り慣れている人は、いつもよりペースを落として走るか距離を短くし身体への負担を軽くすることが大切です。初心者は体調に注意して、普段と違えば中止しましょう。

特にアスファルトを走る場合は、地面からの照り返しで気温より体感温度が高くなります。公園など木陰が多い場所で走るなど工夫することで暑さを軽減できます。

 

28~31℃は警戒

気温28~31℃は、暑さ指数=25~28℃で、熱中症の危険性が増してきます。軽い運動では適宜休憩を取り、運動強度が8メッツ(8km/h)以上のジョギングでは30分程度で休息をいれ十分な水分補給と心がけましょう。

水分補給は運動中だけでなく、運動前後も必要です。水分が吸収されるには30分程度かかるため、運動30分前に200ml(コップ一杯程度)の少し冷たい水分を摂ることで運動中の体温上昇を防いでくれます。

運動中は「喉が渇いた」と感じる前に小まめに摂るようにし、運動後は適宜(1回200mlまで)飲むように心がけてください。1回に大量に飲んでも身体に吸収されません。

汗は水分だけでなく、塩分やミネラルなども一緒に排出されてしまいます。天然塩0.2%の食塩水や経口補給液、スポーツドリンクを薄めて飲むと良いでしょう。

※「メッツ」は安静座位の状態を1METとして、様々な活動がその何倍のエネルギーを消費するか示した活動強度の指標です。

 

31~35℃は厳重警戒

気温が31~35℃は、暑さ指数=28~31℃で、熱中症の危険が高くなってきます。運動強度8メッツ以上の運動は中止することが賢明です。また、通常よりゆっくりとしたペースや距離を短くするなど運動負荷を低くすることが必要です。

30℃以上の気温の中でのジョギングは、過度の発汗・筋肉のけいれん・脱水などの原因になることがあります。暑さに慣れている人でも要注意ですが、暑さになれてない人は屋外での運動は止めることをおすすめします。

早朝から7時頃までの時間帯で走ると空気が熱せられていないため、体感温度が低く感じることができます。また、発汗速乾・通気性の良いウェアを着て走ることも熱中症予防に繋がる可能性があります。

 

35℃以上は原則中止

気温が35度は、暑さ指数=31℃以上で、皮膚温より気温の方が高くなります。特別の場合以外は運動を中止する必要があります。特に子どもや高齢者は中止すべきです。

ヒトは深部の体温が37℃であると身体の動きが最も活発になるため、それを維持しようとします。酷暑の中を走ることで深部体温が上昇するため、身体を冷やすために汗を出し熱を蒸発させます。発汗によって水分が奪われるため、脱水症状が起こる可能性が高くなります。

また、水分が不足すると血液の流れが悪くなり、筋肉に酸素や必要な栄養素が届けにくくなるため、気温が低い時よりも早く疲れを感じることになります。

 

走る時間やペースに気を付けよう

気温が高い時期は、気温が上昇する前の7時頃までと気温が下がる21時以降走ると良いでしょう。また緑の多い公園など木陰のある場所や高速道路の高架下やトンネルなど、直射日光が当たらない場所で走ることが体感温度が下がるため、疲労感が少なくなる可能性があります。

気温が高くないときに長距離を走っている人は、3/4程度の距離にするか1km当たりの時間を長くすなど身体への負担を軽くすることが大切です。インターバルやペース走などの場合も普段の3/4~4/5程度の本数に抑えましょう。

そして、心拍数を測り運動強度が適当であるか確認することが大切です。個人の体力や身体機能によりますが、初心者は120拍/分前後が適度な運動負荷になります。

また、走る前に冷たい水分を摂ることで身体の体温を下げるため、ジョギング中の体温上昇を抑えられます。

 

夏ランニング効果

気温が高いので少しの運動で心拍数が上がります。気温が0℃と30℃では一定空間内の酸素の量が約10%低下することになります。

運動時には多くの酸素が必要ですが、1呼吸の酸素量が減るため、拍数を増やしと多くの酸素を取り込もうとするため心拍数が上がります。

そのため、強度の高い練習を短時間で集中しておこなうだけで、疲労を蓄積せず心肺機能を高めることができます。

夏の間に心肺機能が鍛えられると、走りやすい季節に強度の高い運動をしても以前より苦しさを感じないかもしれません。

また、インターバルなど運動負荷の高い運動の後はアフターバーン効果が期待できます。アフターバーン効果とは、運動後もカロリー消費が続く現象のことで、ダイエット効果が促進される可能性があります。

 

気温が低い冬のジョギングはケガに注意

気温が低い冬のジョギングはケガに注意

相談者のAさん
相談者のAさん
逆に、寒い時の注意点は何ですか?
ケガをしやすいので要注意ですね。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

気温が低いと血管が収縮し、筋肉が強張ってしまいます。また血液の流れが悪くなると十分な酸素や栄養分が行きわたらないため、筋肉や関節の柔軟性が低くなり怪我の原因にもなってしまいます。

また、寒い外を走るときは脱ぎ着できるウェアやアクセサリーをつけて、外気が直接触れないようにすることが大切です。体調が良くないときは、無理して走るとケガをするかもしれません。しんどいときは休養を取ることも必要です。

 

筋温の低下に要注意

ヒトの体温は36.5~37℃に保つため、外の気温が低いと自律神経の交感神経を優位にし寒さに対処しようとします。

そのため、筋肉を強張らせ震えを起こして熱を起こしたり、毛細血管を収縮させ血流を低下し体内から熱が奪われないようにます。

体の温度は中心部(心臓などの臓器)→腕や太もも→手先や脛へと末端にいくほど低くなり外気温の影響を受けやすくなります。

筋肉が収縮し硬くなった状態で急に運動することは、筋肉や靭帯を痛めることに繋がります。また柔軟性が低下しているため、普段より関節の動きが悪く怪我の原因にもなってしまいます。

筋肉が最も力を発揮できるのは38~39℃で、筋肉の温度が1℃上がると代謝量が13%上昇すると言われています。ダイエットを目的とする人は筋温が低いと効果が上がらない可能性があります。

 

血圧や心拍数に要注意

外気温が低いと交感神経が優位になり毛細血管が収縮することで血圧が高くなりやすくなります。血圧の上昇は心臓への負担が大きくなり、心筋梗塞や狭心症などの原因になることもあります。

また、暖かい室内から寒い屋外に出ることで血圧が上昇してしまう可能性があります。できるだけ早朝や夜間の寒さの厳しい時間帯を避けることも身体への負担を軽くします。

気温が低いと血管が収縮しやすいため、心臓の一回の拍動で送り出される血液量が増えます。つまり1回に供給される酸素量も増加するため、心拍数が上がりにくくなります。そのため、夏の暑い季節と同じ強度の運動をおこなっても楽に感じます。

ここで運動強度を上げる場合は注意が必要です。血管が収縮し血圧が高くなっていることが多いため、さらに身体へ負担をかけることになってしまいます。

 

ランニングの服装

寒い時期でもインナーは、吸汗速乾性に優れた素材を選ぶことが大切です。寒さ対策として保温性が高いものや発熱効果のある素材を選びがちですが、汗でウェアが湿ると身体を冷やす原因になってしまいます。

寒い季節は気温が低いため、汗で濡れたままの状態でいると体温が奪われ「低体温症」なる危険性もあります。

服装は、1年中重宝るする発汗速乾性のインナーTシャツと長袖Tシャツ・スポーツタイツ・ショートパンツに加えて、防寒としてウィンドブレーカー上下があると便利です。走っていると徐々に暑くなってくるため、脱ぎ着しやすいタイプを選ぶと良いでしょう。

また、防寒小物としてレッグウォーマー・アームカバー・ネックウォーマー・ニット帽・手袋などを活用することをおすすめします。

 

しんどいと思ったら

寒いと感じると血管が収縮してしまい、血圧が上がりやすくなります。暖かい室内から寒い屋外への移動による急激な温度変化が心筋梗塞などの原因になることがあります。しんどいと思ったら無理せず休養日にすることが大切です。

一方で、気温が低いと筋肉や関節の柔軟性が低下し、動くことが億劫になってしまいます。そんな時は、軽く身体を動かすことで血流が良くなり血圧が下がることがあります。

また、寒い季節は乾燥しているため、知らず知らずのうちに水分不足になっていることがあります。しっかりと水分補給を行い室内でストレッチや筋トレで身体をほぐし体調を整えていきましょう。

 

気温とジョギングの豆知識

気温とジョギングの豆知識

相談者のAさん
相談者のAさん
他にもいろいろアドバイスください。
わかりました。豆知識的なアドバイスをさせていただきます。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

気温が高いときは身体が温まっているので筋肉や股関節の強張りが少なくなります。気温が低いときは一呼吸で多くの酸素を取り入れることができるため、心拍数は上がりにくくなります。

気温による影響を活かして走ることでより効率的に鍛えることも可能です。また、気温問わず水分が不足すると血流が悪くなるため、小まめな水分補給が大切です。

 

タイムが出やすいのはどちら?

長距離に適しているのは気温が低い時期です。気温が低いと心拍数が上がりにくいため、気温が高い時期と同程度の運動強度でも楽に感じます。

動的ストレッチを足先・手先→脚・腕→体幹と先端から中心部に行い筋肉をほぐしていきます。また、軽い筋トレで股関節や筋肉に刺激を入れることで筋肉が温められていきます。走る前に十分なウォーミングアップをおこなうことでケガを防ぐことができます。

気温が高い時期は、早朝や夜など空気が熱せられていない時間帯や緑の多い公園や高速道路の高架下など日差しを遮る場所を選ぶことで、少しは楽に走れるでしょう。

 

夏はペースが落ちるって本当?

同じ運動強度でも夏は気温が高いため、心拍数が上がりやすくなります。春と同じペースで走っても早い段階で息が上がるため、ペースを維持することが難しくなってしまいます。

ペースが落ちても運動強度としては同じなため、続けることで筋持久力や心肺機能を鍛えることができます。

走りやすい春や秋に7分/kmのペースの場合、夏は7分30秒/km, 冬は6分30秒/kmで走ると同じ程度の運動強度になります。

言い換えると、適度な強度の場合、夏に冬と同じ6分30秒/kmで走ると夏の方が身体への負担が大きくなるため、短時間で同じ運動効果を得られるということになります。

身体への負荷は、心拍数で知ることができます。体力や運動経験により個人差がありますが、初心者は120~130拍/分を目安に速さを調整すると良いでしょう。

 

ジョギングに最適な気温とは?

走る距離により筋肉の使用量が変わりますが、3km以上続けて走るときは15℃前後の気温が快適に走り続けられます。走ることで発生する熱を空気が冷やしてくれるため、不快な量の汗が流れることが少なくなります。

人により基礎体温が異なるため、余り寒さを感じない人は10℃前後の方が適しているかもしれません。

初心者で1-3km程度走る場合は20℃前後が「走ろう」と言う気持ちにさせてくれます。気温が低すぎたり高すぎると外に出ることが億劫になるため、初めてジョギングに取り組むときは春や秋など気候の穏やかな時期をおすすめします。

気温が高いときは、冷たい水分を摂取することで体温の上昇が抑えられるため、走る30分前程度に摂ると良いでしょう。

 

ジョギング先生のワンポイントアドバス

水分補給をしっかり意識しましょう。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

血液の流れを良くすることで酸素や必要な栄養素を身体の隅々まで届けることができます。血流を良くするには適度な水分が必要です。水分の吸収には30分程度かかると言われています。

寒い季節は喉の渇きを意識しづらいですが、小まめな水分補給が大切です。血行が良くなると老廃物や疲労物質が体外に排出され、筋肉痛予防にも繋がります。

【カテゴリー】この記事のカテゴリーはジョギングペースとやり方です。

 

まとめ

気温が高いときは熱中症対策が大切になってきます。暑さ指数(WBGT)を参考にし、水分補給のタイミングや走る時間帯・走る場所を選ぶことで発症を防ぐことができます。気温による身体への影響を理解し自分に合った走り方を心がけてください。