ジョギングの呼吸ペースや息づかいの正しいやり方とは?

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ジョギングで呼吸がしんどいと感じてませんか?呼吸法を見直すことで楽に走ることができます。この記事では呼吸のペースやリズムについて詳しくご紹介しています。是非自分の走りに合った呼吸法を見つけてくださいね。


ジョギング先生の林さとみと申します。ジョギングに関するお役立ち情報を紹介します!
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ
相談者のAさん
相談者のAさん
いろいろ教えてください。

 

ジョギングでのオススメ呼吸法

ジョギングでのオススメ呼吸法

相談者のAさん
相談者のAさん
ジョギングの時、どういう呼吸の仕方が良いのですか?
オススメの呼吸法を紹介しますね。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

ジョギングなどの有酸素運動は酸素を取り入れてエネルギーを産生しています。そのため多くの酸素を取り込むことで効率よく運動を続けることができます。

基本的には走るリズムに合わせた「鼻呼吸」をすることで、気持ちよく走ることができます。一般的には4拍子で4歩に1回呼吸する(2歩で吸って、2歩で吐く)リズムですが、ペースによって変わってきます。

また、苦しくなってきたときは「吐く息」を意識することで自然と新鮮な空気が肺に入ってきます。

 

鼻呼吸が基本

ジョギングの時は、口呼吸ではなく鼻呼吸が基本になります。鼻呼吸の方が口呼吸よりも多くの酸素を取り入れることができます。

鼻呼吸では鼻腔抵抗により時間をかけて多くの空気を取り込むことができ、胸郭を広げるため肺胞の血流量が増加します。

また、吐き出すときも鼻腔抵抗により空気が肺胞内に長く留まるため酸素と二酸化炭素のガス交換する時間が長くなります。

そして、鼻腔や副鼻腔の粘膜からは多くの一酸化窒素(NO)が産生されます。NOは肺の血管を拡張させるため、酸素の取り込みが促進されることになります。

これ以外にも鼻呼吸のメリットは、細菌やウィルスの侵入を減少させたり、適度な加湿加温効果で喉の乾燥を防ぐことができます。

 

鼻呼吸だけで苦しい場合

鼻呼吸で苦しくときは、吸気(吸う息)は鼻からで、呼気(吐く息)を口からにしてみてください。吐くことができないため苦しくなることが多く、しっかり吐くことで吸うことができるため呼吸が楽になります。

必要な酸素量よりも多くの酸素を身体に取り込んでいるときは、呼吸が苦しくなり吸うことができない状態になることがあります。

また、走り出して血流が良くなることで鼻呼吸がしやすくなる可能性があります。走り始めは口から呼吸をおこない途中で鼻呼吸に切り替えると良いでしょう。

鼻が詰まっているなど身体の状況により鼻呼吸だけでは苦しい人がいます。鼻呼吸が基本であることを意識しながら、自分にとって苦しくない呼吸を行ってください。

 

ランニングの呼吸はリズムが大事

呼吸と走るリズムを合わせることでペースが整いやすくなります。走るペースによりリズムは変わるため、速さによって呼吸のリズムを変えることが大事です。

 

最も一般的な方法は「4拍子」で4歩に1回呼吸する(2歩で吸って2歩で吐く)リズムです。ゆっくりペースのときは、「6拍子」6歩に1回呼吸する(3歩で吸って3歩で吐く)や「8拍子」8歩に1回呼吸する(4歩で吸って4歩で吐く)のリズムが、一定ペースを維持しやすいかもしれません。

自分の走るペースに合わせた呼吸のリズムを選ぶことで、呼吸の乱れを防ぎ効率よく酸素を取り入れることができます。

また、呼吸により酸素を取り込み血液の流れに乗って全身に送られます。深い呼吸で多くの酸素を摂取することで効率よく運動エネルギーを産生することができます。

 

吐く息を意識しよう

呼吸は「吸う息(吸気)」と「吐く息(呼気)」の繰り返しですが、「吐く息」を意識することでスムーズに呼吸ができます。

肺の容量はほとんど変わらないため、肺の中に空気が残っていると新鮮な空気が入るスペースが少なくなってしまいます。

肺の中の空気をしっかりと吐き出すことで、新しい空気を取り入れることができます。必要な酸素を十分に吸い込むことで、ジョギングのような有酸素運動に利用するエネルギーの産生が活発になっていきます。

また、苦しさを感じたり、息が上ってきたときは、お腹の底からしっかりと息を吐いてみましょう。深く吐くことで自然と新鮮な空気を身体に取り込むことができます。

 

呼吸が苦しい人の改善法

呼吸が苦しい人の改善法

相談者のAさん
相談者のAさん
走ってる時、息が苦しいです。
呼吸法を改善しましょう。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

ジョギング中は多くのエネルギーを産生するために大量の酸素が必要になります。十分な酸素を供給するにはしっかりと二酸化炭素を吐き出すことが大切です。

鼻呼吸で満足に空気を排出できない人は口呼吸を取り入れてみましょう。口腔は鼻腔より広いためしっかりと吐き出すことができるかもしれません。

また、腹式呼吸などで呼吸筋を鍛えることで深い呼吸法を身につけることが期待できます。

 

鼻呼吸のみなら口呼吸も取り入れる

運動強度が強くなればなるほど必要なエネルギー量が増えるため、十分な酸素を細胞の隅々まで運ぶ必要があります。酸素が不足すると多くの酸素を取り入れようとし息が上がって苦しく感じます。

口呼吸は鼻腔などの抵抗がないため、一気に大量の酸素を取り込むことができます。口呼吸は胸式呼吸になりやすいですが、横隔膜を使う腹式呼吸で深く吸い込むことが大切です。

また、鼻腔は幅が狭いため口呼吸のようにしっかりと空気を吐き出すためには、腹筋や体幹などの筋力も重要になってきます。

吐き出すことで新鮮な空気を吸い込みことができます。口呼吸で二酸化炭素を吐き出し酸素を吸い込むことで、効率よくエネルギーを産生し楽に走れることが実感できるかもしれません。

但し、口は大きく開けず小さめにすることで、口の中の乾燥を防ぐことができます。

 

日頃から呼吸筋を鍛える

肺は周りにある筋肉の動きによって膨らんだり縮んだりして呼吸をしています。呼吸に必要な主要な筋肉は横隔膜と肋間筋ですが、腹筋群(腹直筋・腹斜筋など)や頸部(胸鎖乳突筋・斜角筋)など様々な筋肉で構成されています。

また、肺は胸郭(胸骨・肋骨・胸椎)に取り囲まれているため、胸郭が自由に伸び縮みすることで肺に空気を取り込むことができます。

呼吸筋を鍛えたり胸郭を柔らかくすることで、息を吐いた後に肺に残る空気(残気量)が少なくなるため、新鮮な空気をしっかり取り入れることができるようになります。

加齢とともに呼吸筋が低下し胸郭が硬くなると深い呼吸ができなくなってきます。日常生活ではスマホやパソコンによる猫背やストレスなど生活環境により、呼吸が浅くなっている人が多い現状です。

 

2回吐くを意識する

4拍子で呼吸を行う場合は、2歩で吸って2歩で吐きます。4拍子にも「すーー、はーー」、「すーすー、はーはー」や「すっすっ、はっはっ」などの方法がありますが、なめらか行う「すーすー、はーはー」がリズムを取りやすいでしょう。

吐く息の「はーはー」を意識することで、しっかりと息を吐き出すことができるため、自然と新しい空気を取り込むことができます。

しんどくなると空気を吸うことに意識が集中してしまいますが、苦しいときこそ吐くことが大切です。

また、1回の呼気で吐き出そうとするとかなりの腹筋などの筋力が必要になります。腹式呼吸を意識して横隔膜をしっかりと収縮させ、2回で可能な限り肺に空気を残さないようにしましょう。

鼻呼吸で十分に吐くことが難しいと感じる人は、口から吐いても構いません。唇が少し開く程度で空気を吐き出すことができます。

 

持久走で息切れしない呼吸方法

持久走で息切れしない呼吸方法

相談者のAさん
相談者のAさん
長距離を走るとさすがにしんどいですね。
持久走で息切れしにくい呼吸法をお伝えしますね。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

走るペースによって呼吸のリズムが変わります。また初心者など走り慣れてない人は心肺機能が低下している可能性があるため、ゆっくりペースでも呼吸が速くなることがあります。

運動強度の目安となる心拍数と呼吸回数を意識することが大切です。酸素が不足すると呼吸が上がり心拍数も増加していきます。上りや下りでペースを一定に保つことで呼吸が整うため、息苦しさを感じることが少なくなる可能性があります。

 

10キロ以上のマラソン呼吸法

練習の目的によって異なりますが、10キロ以上走るときは一定ペースを意識することで走り切ることができます。

呼吸と走るリズムを合わせることでペースを維持しやすくなります。1kmを6分程度(時速10km)のペースでは、4拍子呼吸法(2歩で吸って2歩で吐く)や6拍子呼吸法(3歩で吸って3歩で吐く)などが適していると言われています。

4拍子呼吸法では速すぎると感じる人は、空気を吸い過ぎている可能性があります。一旦深呼吸で空気を吐ききってから6拍子や8拍子など自分に合った方法を選んでください。

鼻からしっかりと吐ききることが難しくなったときは、口から吐き出しましょう。腹式呼吸で可能な限り空気を吐き出すことで新鮮な酸素を大量に取り込めるため、走るために必要なエネルギーを産生できることに繋がります。

十分な酸素供給で効率よくエネルギーを産生できると疲労物質を溜めずに走り続けることが期待できます。

 

登りと下りを同じ速度で走る

上りはペースが落ちてしまい、下りは加速してしまう人が多いと思います。長距離を走るときは上りと下りをできるだけ同じ速度で正しい姿勢を意識して走ることが大切です。

上りは平坦な道を走るときと比べて歩幅を狭くし、下りは身体の真下で着地することを意識して上りと同じリズムで走ります。上りは少しペースが落ちますが、同じリズムを刻むことで呼吸の乱れを防ぐことができます。

このような走り方は身体への負担が少ないため、運動強度の目安になる心拍数が大きく変化することが少なくなります。

上りで呼吸が速くなり息苦しく感じた時は浅い呼吸になっていることが多いです。下りで口からしっかりと息を吐き出し、深く息を吸うことで呼吸が整ってきます。

 

それでもしんどいなら走るペースを落とす

走りに合わせてリズムよく呼吸をしていても長距離に合った速さでないことがあります。普段20-30分走っているときと同じペースでは息苦しさを感じてしまいます。

特に初心者や運動習慣のない人は心肺機能や筋力が低下しているため、無理をしないことが肝要です。しんどい状態では長距離を走り切ることは難しいため、少し息が弾む程度まで速度を落としてみましょう。

運動強度は人により異なるため他人と合わせる必要はありません。中程度の運動を続けることで自然と心肺機能や筋力が向上してきます。運動強度の目安になる心拍数を測ることで現状に合ったペースで走ることが大切です。

目安の心拍数は健康な人で120-130拍/分程度で、中程度の運動強度は50-60%になります。

計算式は、[(運動時心拍数 – 安静時心拍数) ÷ (最大心拍数 –  安静時心拍数) x100]です。

※最大心拍数(220-年齢)

 

ジョギング先生のワンポイントアドバイス

腹式呼吸を意識しましょう。
ジョギング先生 林さとみ
ジョギング先生 林さとみ

日常生活では胸式呼吸になることが多いです。胸式呼吸は浅い呼吸になりがちなため、意識して腹式呼吸をすることで呼吸筋周りの筋肉を鍛えることができます。

また、腹式呼吸は深くゆっくりとした呼吸になるため、自律神経の副交感神経が高められるためリラックス効果も期待できます。

【カテゴリー】この記事のカテゴリーはジョギングペースとやり方です。

 

まとめ

中程度の運動強度の場合は基本的に鼻呼吸を意識し呼吸と走るリズムを合わせることが大切です。鼻呼吸が難しい人は口呼吸でも構いません。ジョギングに必要な酸素を取り込むためにしっかり空気を吐き出すことが重要です。自分に合った呼吸法を見つけることで楽に長い距離を走ることができるようになります。